8月の国内粗鋼生産、2割減 6カ月連続マイナス

2020/9/25 15:01
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日本鉄鋼連盟(鉄連)は24日、8月の国内粗鋼生産量が前年同月比20.6%減の644万6千トンだったと発表した。前年割れは6カ月連続。前月比では2カ月連続で増加したが、新型コロナウイルス感染拡大の影響が続いている。鉄鋼各社の高炉再稼働など前向きな動きが出始めたものの、2019年の水準と100万トン規模の差がある。完全な回復にはいまだ遠い状況だ。

JFEスチールが再稼働した西日本製鉄所福山地区の「第4高炉」

生産量は前月比では6.6%増。増加幅は横ばいだった。前年同月比は20.6%減で、7月の前年同月比(27.9%減)より、減少の比率は7ポイントほど改善した。

鋼種別では、自動車部品など製造業向けが大半を占める特殊鋼は前年同月比37.3%減の116万2千トンだった。減少幅は7月(同41.6%)に比べやや持ち直した。自動車生産の回復が影響した。製造業や建設業など用途が広い普通鋼は前年同月比15.7%減の528万4千トンだった。

自動車など製造業の生産活動の回復を受け、高炉の再稼働に踏み切る鉄鋼メーカーも出てきた。JFEスチールは、6月下旬に一時休止していた西日本製鉄所の福山地区(広島県福山市)の高炉1基を再稼働した。8月中旬時点では、稼働再開の時期を10月下旬としていたが、前倒しを決めた。

炉別では、高炉でつくる「転炉鋼」が前年同月比22.9%減の489万5千トンと、減少幅は7月(同32.6%)より縮小した。スクラップ(くず鉄)でつくる「電炉鋼」は前年同月比12.2%減の155万1千トンだった。

自動車などの生産回復といった明るい材料が出始めたが、単月生産量が800万トンを上回ることの多かった19年に比べると依然として低水準だ。業界でも「短期間での回復は考えにくい」(鉄鋼大手幹部)との声は多い。

(永森拓馬)

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