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ガス点検装い強盗、各地で横行 ロゴや身分証の確認を

都市部でガス点検などを装って高齢者宅に押し入り、現金を奪う手荒な強盗事件が多発している。実行犯がSNS(交流サイト)を通じて集められ、手口も似ていることから、警察は犯罪組織が主導した大がかりな犯行とみて警戒。ガス会社は点検の事前案内や作業員の制服を確認するよう呼びかけている。

「ガスの点検です」。23日午後、東京都足立区にある集合住宅の70代男性宅に2人組の男が訪ねてきた。男性がドアを開けると、男らはいきなり押し入って粘着テープで体を縛り、現金30万円が入った財布を強奪して逃走。男性は1時間半後に自力でテープをほどき通報した。

都内では9月18~25日に、ガス点検などを装う同様の強盗事件が立て続けに5件も起きた。大阪府藤井寺市では10日に防火設備業者をかたった3人組による強盗事件が発生。神奈川県でも9月に入り横浜市などで複数あり、警察幹部は「強盗がこれほど頻発するのは異常だ」と話す。

住宅や店舗に押し入るこうした手口は侵入強盗と呼ばれる。2019年の全国の認知件数は461件で、ピーク時の03年(2865件)と比べ8割減。以前はコンビニエンスストアや金融機関が狙われる事件が多かったが、店舗の強盗対策が進んで全体としては減少傾向にあった。だがここにきて、点検を装う強盗の増加が目に付く。

増加が特に目立ってきたのは9月だが、20年1~8月の統計をみても都内の侵入強盗の認知件数は46件で、前年同期の1.7倍に増えた。千葉や神奈川、兵庫など各県でも同様に前年を上回るペースで被害が出ている。

実行犯はSNSで集められるケースが多い。東京都町田市で18日に起きた強盗事件の実行犯として警視庁が逮捕した男2人は、SNS上の「裏バイト募集」などという投稿に応じた。その後は一定時間が経過するとやりとりが消えるアプリ「テレグラム」を利用して指示役とやりとりしていたという。

ガスや防火設備の点検などを装う手口も各地で共通しており、一連の事件について警視庁幹部は「犯罪組織が強盗のマニュアルを作り、指南しているのではないか」とみる。町田市の被害者宅には強盗事件前、資産状況を尋ねる「アポイント電話」があったといい、特殊詐欺に使われる高齢者宅の名簿が転用されている疑いも浮上している。

各警察は現場周辺の防犯カメラ映像などから実行犯の特定を急いでいる。指示役を含めた犯罪組織の実態解明を目指すが、テレグラムでのやりとりは復元が難しく、捜査のハードルは高い。

東京ガスは社員を装った強盗や詐欺に注意するようホームページで呼びかけている。ガス設備の定期点検ははがきなどで事前に案内することや作業員が着るロゴ入りの制服などを紹介。担当者は「ガス点検を名乗る不審な業者が訪問した場合はロゴや身分証を確認してほしい」と話した。

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