SGHDと日立物流、経営統合見送り 出資比率も下げ

2020/9/24 19:36 (2020/9/24 21:59更新)
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佐川急便を傘下に持つSGホールディングス(HD)と日立物流は24日、経営統合を当面見送ると発表した。2016年に統合を視野に資本・業務提携を決めたが、新型コロナウイルスの感染が拡大。世界的に物流が停滞するなど環境が一変し、提携の重要性が薄れたと判断した。相互に持ち合う株式の出資比率も引き下げ、両社とも独自の成長戦略を優先させる。

新型コロナで提携内容の見直しを迫られた

SGHDは日立物流が保有する佐川急便の発行済み株式の20%分すべてを875億円で買い取る。日立物流もSGHDが持つ自社株を、988億円を上限として市場で取得する。SGHDの持ち分は現在の29%から6%前後になる見通しだ。

売買は29日に完了する予定で、日立物流はSGHDの持ち分法適用会社から外れる。トラックの共同利用といった業務提携は続ける。

佐川急便は宅配便大手で、日立物流は企業間物流に強みを持つ。16年の提携は、個人から法人まで包括的に荷物を扱う総合物流グループの形成が目標とされていた。

新型コロナの流行で両社の経営環境は一変した。電子商取引(EC)の利用は急拡大した。宅配便の需要が膨らむなかで業務の効率化や省人化への取り組みなど、佐川急便の経営判断を迅速に行う必要性が高まった。SGHDは完全子会社化の必要があると判断し、株式の買い戻しを日立物流側と協議していた。

日立物流も目算が外れた。国内では業務の効率化などで一定の成果があがったものの、新型コロナの流行で世界的に物流網が目詰まりした。輸送量も急減し、成長のけん引役として重視していた国際物流で連携の効果が生じにくくなった。

同社は海外事業のてこ入れにはSGHDよりも、海外企業との連携を強化する必要があるとの判断に傾いたようだ。自社株を活用した現地企業のM&A(合併・買収)も視野に入れているとみられ、株式の買い戻しにつながった。

SGHDは24日、出資比率の引き下げに伴い21年3月期の業績予想を見直すと発表した。日立物流の株式持ち分比率が減ることで連結経常利益は前期比11%増の890億円と、従来予想に比べて20億円減る。

一方で佐川急便株を取得するため、純利益は前期比16%増の550億円と従来予想に比べて25億円増える見通しだ。

純利益の増加で配当予想も見直した。1株あたり前期比8円増の52円にし、従来予想から3円積み増す。SGHDは同日、株式1株を2株に分割することも発表。10月31日を基準日とし、11月1日付で実施する。

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