低カフェインが特徴 カネ十農園の「アールグレイ」緑茶

静岡
2020/9/24 19:03
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カフェインを抑える工夫をした、カネ十農園(静岡県牧之原市)の「カネ十アールグレイ」緑茶が人気だ。斬新な味とデザインを組み合わせで国内では大手書店初のプライベートブランド(PB)商品にも選ばれた。国内にとどまらずロシアやドイツなど4カ国へ輸出するための商談も進む。

約20ヘクタールの自社農園を持つ(静岡県牧之原市)

「ワインの産地を巡るように、お茶を飲んで牧之原に来てほしい」と話す渡辺知泰社長

開発の中心は39歳の渡辺知泰社長だ。米ワイナリーの日本法人で働いた後、2005年に結婚を機に妻の実家であるカネ十農園で働くことになった。「フレーバーつきの軽く飲めるお茶が、今の時代にあっている」と従来の飲み方にこだわらない考えを持っていた。

当時渡辺さんが目を付けたのは、市内在住の農業博士からもらって農園に植えてあったベルガモットの木。茶葉を煮ることでカフェインを抑える専用の加工機を購入し「カネ十アールグレイ」を完成させた。本来、アールグレイは紅茶だが同社の商品は緑茶。通常の一番茶の煎茶に比べて6割カフェインを抑えた、爽やかな飲み口が特徴だ。

顧客に一度でも商品を手に取ってもらうにはどうすればいいか。専門店では試飲できるが、当時売り込んでいたインテリアショップや雑貨店では常時試飲はできない。最初の壁にぶつかった。

そこでまず「店員に商品のファンになってもらう」(渡辺社長)ことにした。2カ月に1回程度、各販売店の朝礼で店員向けの試飲会を開催。成果が表れたのは15年でカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営する蔦屋書店初の物販のプライベートブランド(PB)商品に選ばれた。今も栗ほうじ茶味など年に6種類の季節限定の味を出すなどフレーバーティーに力を入れる。

商品は「思わず手に取りたくなる」よう、工夫を凝らすことが大事だという。レトロなパッケージが目をひく。明治から大正時代に輸出用の茶箱に使われた「蘭字」と呼ばれるラベルを模した。

渡辺社長の実家は新潟県三条市で高級箸などを製造する木工メーカー。「工業の街に生まれたからこそデザインを意識している」。三条市のものづくり企業が切磋琢磨(せっさたくま)し金融危機や不景気を乗り越える様子に「他社がまねできないデザインの重要性を知った」という。

20年1月期の売上高は1億8000万円。製茶に加えて前から東京・表参道などの店舗などで小売り・飲食業も手掛ける。かき氷やドリンクといった飲食が好調で、2業態の売り上げはそれぞれが半分ずつを占める。国内外に広く進出し「ワインの産地巡りをするように、茶畑や製茶工場を見に牧之原市に来てもらうこと」が最終的な目標だ。(亀田知明)

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