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スポーツクライミング 最適な登りへAI援軍

Tokyoオリパラ
2020/9/25 5:30
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AI機能を使ったシステムで自身の動きをチェックする東京五輪代表の野口啓代(左)と楢崎智亜

AI機能を使ったシステムで自身の動きをチェックする東京五輪代表の野口啓代(左)と楢崎智亜

東京五輪で新種目となるスポーツクライミングで日本代表に決まっている男子の楢崎智亜、女子の野口啓代(ともにTEAM au)をテクノロジーで支援する取り組みが始まった。KDDIグループが登り方を人工知能(AI)で解析する仕組みを導入。来夏に延期された五輪までの期間を力をさらに伸ばす時間に変え、金メダルへの道のりを後押しする。

今春、同グループの支援で野口の実家に建設された「au CLIMBMING WALL」。高さ15メートルほどのスピード種目の壁を一心不乱に登る野口をスマートフォンのカメラが捉えていた。

映像は肘、指先など全身の骨格65点の動きを認識する「行動認識AI」と呼ばれる技術によって解析され、姿勢が青枠、重心などの軌跡が赤いラインで表示される。区間ごとの細かいラップタイムも同時に計測。撮影地点とは異なる角度からの姿勢もAIが推定してはじき出し、タイムを落としたパートでの登り方、重心のぶれなどがより科学的に見える仕組みだ。

これまでも選手は映像を撮影してフォームを分析してきたが、「苦手なパートは重心のラインがぐにゃぐにゃと曲がっている。感覚的に感じていたことと擦り合わせることでより(改善点が)確信できる」と野口。国内でも3番手以下に甘んじる苦手種目の克服に自信を見せる。

行動認識AIはKDDI総合研究所(埼玉県ふじみ野市)が商業施設での来店客の分析や、通常と異なる動きをしている人を認識して防犯や安全につなげる用途などで研究してきた。バレーボールのサーブ姿勢やラグビーのタックルなどスポーツ分野への応用研究も進めており、今回は実用化の先駆けの一つ。効率的に登るための体の軸や移動軌跡など、ボルダリングやリードに活用できる余地もあるという。

野口啓代は五輪の頂点に向けスピードの強化に余念がない=共同

野口啓代は五輪の頂点に向けスピードの強化に余念がない=共同

フォーム解析の多くは選手の体や施設に複数のセンサーを取り付ける大がかりな装置が必要だが、タブレット端末だけで撮影から解析までできる。場所を問わず、大会などで撮った映像の解析も可能で、野口は「海外の(トップ)選手と比べてみたい」とも話す。

スピード、リード、ボルダリングの総合成績で競う五輪で採用された「複合」形式で、日本選手にとっては競技経験の浅いスピードの強化がカギになる。新型コロナの影響で2月以来スピードでの大会出場から遠ざかっている状況だが、チームメートの楢崎智も「遅いパートは横にぶれている時が多いと気づいた。重点的にやりたい」と意欲を見せる。男女で見据える五輪初代王者に向け、日本の先端技術が援軍となるか、両選手の成長に注目が集まる。

(西堀卓司)

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