世界の労働所得367兆円損失 1~9月、ILO報告

2020/9/24 0:55 (2020/9/24 2:35更新)
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【ジュネーブ=細川倫太郎】国際労働機関(ILO)は23日、2020年1~9月期の世界の労働所得が前年同期比10.7%減ったとする報告書をまとめた。金額ベースで3兆5千億ドル(約367兆円)に相当する。新型コロナウイルスの感染拡大による仕事の制限は、世界経済全体に影を落としている。

建設現場に集まった求職者(6月、南アフリカ)=ロイター

報告書によると、4~6月期の労働時間は、新型コロナの感染拡大前の19年10~12月期に比べ推計で17.3%減となった。これは週48時間勤務のフルタイムの労働者が4億9500万人失業した規模に匹敵するという。減少幅は6月時点の予想(14%減)から下方修正された。7~9月期は12.1%減、10~12月期は8.6%減になると予想している。

ロックダウン(都市封鎖)や渡航制限で、飲食店や宿泊施設、生産工場などが一時閉鎖に追い込まれた。多くの国は経済活動を再開し始めたが、ILOは9割以上の労働者は今も何らかの職場閉鎖のような状況に直面していると分析する。特にサービス業や旅行業の打撃が深刻とみている。

1~9月期の労働所得について、地域別では南北アメリカ大陸が12.1%減と最も大きく、次いでアフリカ(10.7%減)、欧州・中央アジア(10.6%減)と続く。特に非正規雇用が多い低中所得国が最も厳しい。

国際通貨基金(IMF)は6月、20年の世界経済の成長率予測をマイナス4.9%に下方修正し、大恐慌以来の景気悪化になると予測した。景気低迷が長くなれば企業の業績悪化や倒産は加速し、失業者も増える。ILOは各国に対し、所得支援など含め必要な政策の継続や、女性や若年層、非正規労働者など労働市場で脆弱とされるグループを優先的に支援することを求めている。

新型コロナ拡大は依然として各地で続いている。流行が再拡大している欧州では、規制の導入が再び相次ぐ。各国は経済活動の維持と感染防止の両立の難しいかじ取りを迫られている。

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