米J&Jがワクチン最終治験 6万人対象、21年供給目標
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【ニューヨーク=野村優子】米日用品・製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は23日、開発中の新型コロナウイルスワクチン候補について最終段階の臨床試験(治験)を開始したと発表した。同社のワクチンは1回の投与で効く可能性があり、最大6万人を対象に治験を実施して安全性と有効性を確認する。
治験の最終段階では、18歳以上を対象にワクチンまたはプラセボ(偽薬)を投与し、ワクチンの有効性を確認する。被験者の登録が予定通り進めば、年末にも結果が判明する。J&Jのポール・ストッフルズ最高科学責任者は「2021年の早い時期に、緊急承認を受けたワクチンを提供することを目標に取り組んでいる」と述べた。
米国でコロナワクチン治験の最終段階入りしたのは、米モデルナ、米ファイザー・独ビオンテック連合、英アストラゼネカ・オックスフォード大連合に続く4例目となった。J&Jは9月、日本でも初期段階の治験を始めている。
J&Jのワクチン候補は米政府のワクチン開発推進策「ワープスピード作戦」の支援対象で、生物医学先端研究開発局(BARDA)からも資金援助を受けている。8月には米政府と、ワクチン1億回分を10億ドル超で提供することで合意した。開発と並行して量産準備も進めており、2021年中に世界で10億回分を供給する目標を掲げる。