ファーウェイ幹部、米制裁強化「大きな困難」
自前主義、先行き厳しく

ファーウェイ
中国・台湾
アジアBiz
2020/9/23 18:30
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【上海=川上尚志】中国の華為技術(ファーウェイ)が米政府による半導体などの輸出規制にもがいている。同社の郭平(グォ・ピン)・副会長兼輪番会長は23日開いた記者会見で「米国の制裁強化が我々の生産と(会社の)運営に大きな困難をもたらした」と認めた。米国の技術に頼らない生産体制を整備していかざるを得ないが、先行きは厳しい。

上海市で記者会見するファーウェイの郭平(グォ・ピン)副会長兼輪番会長((右)、23日)

「スマートフォンでは年数億枚のチップを使っており対策を考えている」。23日の記者会見で、郭氏はスマホ向け半導体の在庫についてそう説明した。郭氏が公の場で記者の質問に答えるのは5月以来、約4カ月ぶりだが、慎重な言い回しが目立った。米制裁の具体的な影響は「精査中だ」とし、対策は言及しなかった。

米商務省はファーウェイへの輸出規制を強め、15日から米国技術が関わる半導体の供給を原則禁じた。供給を続ける企業は米当局に許可を申請する必要がある。米インテルは一部製品の許可を取得したという。ただ業界内では「簡単に許可は出ない」という見方が大勢で、ファーウェイ社員は「多くの取引先が申請しているが、どうなるか分からない」と語る。

米格付け会社S&Pグローバルによると、ファーウェイの世界シェアが28%の通信基地局(2019年、売上高ベース)と、18%のスマホ(同)の二大事業で米規制の打撃が最も大きい。台湾の調査会社などは21年のファーウェイのスマホ出荷台数が、20年見込み比で7割減の5千万台に落ち込むと予測する。

複数の中国メディアによると、こうした状況に対応するため、8月に米国技術を使わない製品を作るプロジェクトを立ち上げたという。まずパソコンやテレビを対象とする。ただ技術的な難易度が高いスマホや通信基地局は当面、実現が難しいとみられる。

ファーウェイは独自の基本ソフト(OS)「鴻蒙(ホンモン)」も開発中で、21年中にスマホ向けに実用化する。独自OSに対応する自前アプリストアのアプリの数は、米グーグルの約300万件に対し、ファーウェイは約10万件どまり。ファーウェイは「グーグルのアプリもホンモンで使えるようにする」と説明するが、独自OSがグーグルのOS「アンドロイド」とどこまでアプリ利用の互換性を保てるか技術上の課題は小さくない。

ファーウェイの創業者、任正非・最高経営責任者(CEO)は7月末、上海市などの大学を訪れ、「米国の一部の政治家は我々の死を望んでいると分かった」と発言した。半導体などの部品の在庫が切れる前に実効性のある対策を打ち出せなければ、任氏の言葉通りに同社の経営は早晩行き詰まる可能性がある。

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