駅無人化で権利侵害と提訴 車いす障害者、JR九州を

2020/9/23 16:54
保存
共有
印刷
その他

JR九州が大分市内で進める駅の無人化で列車の利用が制限され、移動の自由を侵害されたとして、車いすで生活する市内の障害者3人が23日、同社に1人当たり11万円の損害賠償を求める訴えを大分地裁に起こした。原告側によると、障害者が駅無人化による権利侵害を訴えた裁判は初めて。

訴状によると、原告3人は脳性まひや、事故による脊髄損傷のため体が不自由で、常に車いすを使っている。列車の利用には駅員の補助が欠かせないが、無人化で事前に予約し、調整しなければ利用できなくなると主張。憲法が保障する移動の自由を侵害し、障害者差別を禁じた法律にも違反していると訴えた。

提訴後の記者会見で、原告の五反田法行さん(36)は「障害者だけでなく、高齢者ら他の利用者の問題でもある」と指摘。弁護団の徳田靖之弁護士は「社会的弱者に合理的配慮がされる社会かどうかを問う裁判だ」と強調した。

JR九州は大分市内の日豊、豊肥両線の計8駅を新たに無人化する計画で、うち3駅は既に無人化された。カメラやスピーカーを通じ遠隔対応する「スマートサポートステーション」とし、補助が必要な場合は事前に連絡を受ければ、担当者を派遣するとしている。提訴について「訴状が届いておらず、コメントできない」とした。

駅の無人化は、労働力不足を補い業務を効率化する目的で、全国で推進。JR各社によると、無人化の割合は44~80%に上る。JR九州管内では全568駅のうち、54%の304駅が無人になっている。〔共同〕

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]