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ヤクルト小川、リーグ2位9勝 投壊チームで孤軍奮闘

2020/9/22 3:00
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セ・リーグ最下位に低迷するヤクルトの投手陣で、小川泰弘がひとり気を吐いている。今季はここまでリーグ2位の9勝(3敗)。幾度となくチームの連敗を止める快投を演じ、8月にはプロ野球史上82人目となるノーヒットノーランも達成した。オフに下半身を強化した効果もあり、従来の力強い直球が戻ってきたのが要因だ。

(記録は9月21日現在)

ヤクルト小川はDeNA戦で無安打無得点試合を達成した=共同

ヤクルト小川はDeNA戦で無安打無得点試合を達成した=共同

8月15日、ナイターでも試合中は気温が30度を超えた横浜スタジアム。九回2死、DeNAの乙坂智をフォークボールで空振り三振に仕留めた。緊張感から解放されたからだろう、マウンド上で控えめなガッツポーズをする小川の表情にこの日初めての笑顔が浮かぶ。アマチュア時代も含め、無安打無得点は自身初。球団として14年ぶりの快挙に「実感がわかない。でも、これからの投球に良い影響があると思う」と喜びをかみしめた。

昨季は苦しい1年だった。制球を向上させるため、奪三振の米大リーグ記録を誇るノーラン・ライアンを参考にした左脚を高く上げるフォームを一度は封印。2段モーションなど様々なフォームを試した。最終的に元のフォームに戻したが、調子は上がりきらず自己ワーストの5勝12敗、防御率4.57に終わった。

再起を期した今季、開幕投手こそ石川雅規に譲ったが、小川は安定した投球を続けている。ここまで14試合に登板して9勝は、菅野智之(巨人)の11勝に次ぐリーグ2位。6回以上を投げて自責点3以下のクオリティースタートも10試合で記録している。ノーヒットノーランを達成したDeNA戦を含め4試合連続でチームの連敗を止める活躍を見せた。

■力のある直球を取り戻し復調

好調を支えているのが、高津臣吾監督が開幕前、16勝(4敗)を挙げ新人王に輝いた2013年のような力が「戻りつつある」と評価していた直球だ。先のDeNA戦では最後まで球威は落ちず九回にも147キロを記録。オフの自主練習で遠投やランニングを増やし、下半身を徹底的に鍛えたことで高めの抜け球が減り、力のある直球を低めに集めることができている。その分シュートやチェンジアップといった変化球も効果的に使えている。

直球の力を取り戻したことが復調につながった=共同

直球の力を取り戻したことが復調につながった=共同

精神面では14年に1軍投手コーチ就任以降、苦楽をともにしてきた高津監督の存在が大きい。開幕直前の練習試合では調子が上がらなかったが、監督から「練習試合と本番は全く違う。ガラッと変わる可能性もある」と声をかけられ気持ちが楽になった。開幕2戦目に登板して監督に初勝利をプレゼントすると、そこから4連勝。開幕当初は「僕のイメージしている小川からはまだまだかな」と辛口の評価だった高津監督も、今や「精神面で成長した。自信を持って送り出せる」と信頼を寄せる。

ヤクルトは一時、首位巨人を追う2位につけたが、8月以降は徐々に順位を落とし、現在は最下位に低迷する。先発が打ち込まれて早々に降板する試合が増え、救援陣に疲労が蓄積したのが要因の一つ。安定した投球で長いイニングを投げられる小川の重要性は増している。

入団8年目の今季、国内フリーエージェント(FA)権を取得した。本人は「シーズンが終わったときに考えたい」と明言を避けているが、FA権行使となれば争奪戦は必至だろう。もちろん投手陣の層の薄いヤクルトにとって、先発の柱を失うことになれば大打撃となる。シーズンは終盤からオフにかけて、投球はもちろんのこと30歳の右腕の動向からは目が離せそうにない。

(木村祐太)

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