人口増加にグローバリゼーション 終わらない経済成長
積立王子への道(14)

積立王子
投資信託
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2020/9/24 2:00
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投資の世界で「積立王子」のニックネームを持つ筆者が、これから長期投資に乗り出す後輩の若者にむけて成功の秘訣を伝授するコラムです。

東西冷戦もやがては終わりを告げた

世界は第2次大戦後、米国がリードする西側資本主義体制とソ連が主導する東側社会主義体制という2つのイデオロギーによる対立構造ができあがった。二大国の覇権争いによる米ソ東西冷戦の時代だね。世界経済はしばらく東西に二分されたが1980年代に入ると、西側先進国が経済成長を続けて豊かな民主主義社会を謳歌する一方で、東側諸国は共産主義の行き詰まりから貧困が深まって経済破綻を来したんだ。

89年には東西分断の象徴、ベルリンの壁が市民によって壊された。その後、西ドイツが東ドイツを併合し、91年にはソ連も消滅してロシアをはじめとするいくつもの国家に分かれて独立した。これで東西冷戦は終結。米国一極支配の資本主義をベースとした地球一体型の経済構造ができたんだ。

地球一体型経済の時代が始まった

ここからが世界経済のグローバリゼーション構造の始まりだ。旧東側陣営の中国や東欧に西側先進国の資本が続々入り込み、ビジネスで融合された経済活動の一体化が進んだ。かくして旧東側諸国の人々は初めて経済成長の恩恵を体験することになる。資本主義経済がもたらす豊かさを求める人々は増え続け、その欲求こそがさらに西側諸国の経済を潤わせた。

つまりグローバリゼーション構造とは、20世紀の終わりに始まったばかりの地球経済一体型の構造なんだ。旧東側諸国やアジア、中南米などの発展途上地域も含め、経済活動が相互拡大する中で、世界全体の経済は大いに安定して成長を持続。それによって日ごとに豊かになる人々が地球規模で増え続けたのさ。

30年前には貧しい国だった中国は今や世界第2位の経済大国だ。そこに住む14億人以上の人民は急速に豊かな生活を享受した。東欧の人々も、東南アジアやインドの生活者も、冷戦時と比べ格段に豊かになったよね。

米中貿易戦争は起きたけれど…

確かに今は米中覇権争いによる貿易戦争がかまびすしい。グローバリゼーションの前提である開かれた自由貿易の副作用に注目が集まり、米トランプ政権による保守主義を誘発したりしているけど、地球規模で豊かな生活を希求する経済の成長軌道は決して途絶えることはない。今後はアフリカ大陸全体へと波及していくだろう。

そしてこれから豊かになっていく地域では人口増が続いている。地球全体では21世紀を通じて人口が増え、現在77億人の世界人口は2050年には97億人へ、そして今世紀末ごろには110億人にまで増加が予想されている。この地球全体での人口増こそがこれから先、世界経済の長期的な安定成長軌道を想定する上での大前提なんだ。

中野晴啓(なかの・はるひろ)

セゾン投信株式会社代表取締役会長CEO。1963年生まれ。87年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用等を手がける。2006年セゾン投信(株)を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会理事。全国各地で年間150回講演やセミナーを行っている。『預金バカ』など著書多数。
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