トランプ氏、最高裁判事に女性指名へ 大統領選にらむ

米大統領選
2020/9/20 12:39
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19日、ワシントンの最高裁前で、ギンズバーグ氏の死を悼む人々=ロイター

19日、ワシントンの最高裁前で、ギンズバーグ氏の死を悼む人々=ロイター

【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は19日、亡くなった連邦最高裁判所のルース・ギンズバーグ判事の後任について「来週指名する。女性になる」と明言した。11月の大統領選で女性票の取り込みを狙う。与党・共和党内には大統領選前に後任を承認すべきでないとの見方があり、具体的な段取りを調整する。

南部ノースカロライナ州で開いた支持者集会で表明した。トランプ氏は「合衆国憲法は大統領が最高裁の席を埋めると規定する」と指摘し、大統領選前に議会の承認手続きを終えたい考えを示唆した。判事は大統領が指名し、議会上院の過半数の賛成で承認される。

リベラル派の代表格だったギンズバーグ氏が18日に死去した後の最高裁判事は8人。保守派が5人、リベラル派が3人とみられている。トランプ氏が後任に保守派を任命すれば最高裁の保守化が決定的となる。判事は死亡するか、辞任しないかぎり職務を続けられるため、今後数十年にわたって米社会が保守寄りになる可能性がある。

トランプ氏が指名する女性判事候補には保守派の名前があがる。中西部ウィスコンシン州などを管轄する第二審の控訴裁で判事を務めるエイミー・バレット氏は信仰心の厚いキリスト教徒とされる。別の地域で控訴裁判事のバーバラ・ラゴア氏も保守派とみられている。トランプ氏は19日、両氏に関し「すごく尊敬されている」と述べ、起用検討を示唆した。

狙いは大統領選で女性票を取り込むことだ。主要世論調査でトランプ氏は女性からの支持率で野党・民主党の大統領候補、バイデン前副大統領に大きく引き離されている。女性との不適切な関係や人種差別的と受け取られかねない言動に女性が反発しているとされ、国民の関心が高い最高裁人事で挽回を狙う。

メドウズ大統領首席補佐官は19日、大統領専用機内で記者団に「(選挙の)焦点が間違いなく変わる」と述べた。

今後は議会手続きを担う共和党との調整が加速する。共和党ではスーザン・コリンズ上院議員が19日、大統領選前に議会手続きを進めるべきではないとの立場を表明した。コリンズ氏は11月の上院選で苦戦し、無党派や民主党支持者の票の取り込みを目指している。保守派判事に賛成票を投じれば支持基盤の拡大が難しくなるおそれがある。

コリンズ氏の主張に関し、トランプ氏は「全く同意しない」と一蹴した。ただ共和党は上院で53議席にとどまり、造反者が相次げば判事を承認できないためホワイトハウスと共和党指導部は各議員の意向を精査する見通しだ。コリンズ氏以外にも上院選で当落線上の議員がいる。

最高裁は保守派とリベラル派で意見が真っ向から対立するテーマに裁定を下すため国民の関心が高い。保守派は一般的に銃の個人所有や厳しい不法移民対策に賛成し、人工妊娠中絶には反対する。民主党のオバマ前政権が成立させた個人の加入義務を定めた医療保険制度改革法も政府の役割を拡大するものだとして反対する意見が多かった。

バイデン氏は19日、ツイッターで「最高裁の行方が大統領選で問われる」と指摘。「医療や公民権まであらゆることに影響を及ぼし、将来世代にも影響する」と訴えて、支持を求めた。バイデン氏はギンズバーグ氏の後任を次期大統領が指名すべきだと主張しており、トランプ氏との対決姿勢を強める。

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