米最高裁判事、ギンズバーグ氏が死去 後任人事焦点に

米大統領選
2020/9/19 9:01 (2020/9/19 10:49更新)
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【ワシントン=中村亮】米連邦最高裁判所は18日、リベラル派のルース・ギンズバーグ判事が膵臓(すいぞう)がんによる合併症のため亡くなったと発表した。87歳だった。11月の大統領選に向け、後任人事が最大の焦点の一つに浮上する。

連邦最高裁判所のルース・ギンズバーグ判事(2018年11月)=ロイター

最高裁によると、18日夕に首都ワシントンの自宅で亡くなった。ギンズバーグ氏はクリントン元大統領が1993年に指名し、史上2人目の女性判事となった。女性の権利向上に貢献し、リベラル派に高い人気があった。同氏の若き日々を描いた映画「ビリーブ 未来への大逆転」(原題は「On the Basis of Sex」)は大ヒット作となった。

トランプ大統領は18日、中西部ミネソタ州での支持者集会の直後に記者団に対し「彼女が亡くなったのか。知らなかった。彼女はすばらしい人生を歩んだ。他になんと言えばよいのか」と驚きを隠さなかったという。ギンズバーグ氏死去はトランプ氏の集会中に米メディアが一斉に流していた。

米最高裁は人工妊娠中絶や個人の銃保有、同性婚といった保守派とリベラル派で考え方が大きく割れるテーマの是非を決める。不法移民対策や医療保険制度など政権の主要政策の方向性も決定づけるため最高裁の動向には米国民の関心が極めて高い。2016年の大統領選の出口調査では70%が最高裁の判事任命を重要なトピックにあげていた。

最高裁は9人の判事で構成され、現在は保守派が5人、リベラル派が4人とみられてきた。リベラル派のギンズバーグ氏の死去に伴い、トランプ氏が保守派判事を指名するのは確実だ。後任が保守派となれば最高裁の保守化が決定的となる。トランプ氏は9月上旬、最高裁に空席が生じた場合の後任候補のリストを公表しており、保守派が名を連ねた。

判事は議会上院の承認が必要で、トランプ政権と与党・共和党は11月の大統領選までの人事承認を目指す可能性がある。仮に承認できなくても政権交代が起きればリベラル派が後任に就くと支持基盤である保守派有権者の危機感をあおり、求心力を高める戦略をとる公算が大きい。

一方、民主党の大統領候補に指名されているバイデン前副大統領もトランプ氏の再選を許せば最高裁の保守化が一段と進むとして警鐘を鳴らすとみられる。2018年に指名された保守派判事ブレット・カバノー氏の人事承認を巡っては女性への暴行疑惑が浮上し、リベラル派が団結して人事に猛反発した。

最高裁判事は任期がなく、死去するか辞任しない限り職務を続けられる。ギンズバーグ氏の後任は米社会のあり方を数十年にわたって決定づける可能性がある。

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