テンセント「法令守っている」 対話アプリの米排除に
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【広州=比奈田悠佑】中国のネット大手、騰訊控股(テンセント)は19日、同社の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」が米国内で20日から提供や更新を禁じられることについて「海外各地でサービスを提供するアプリとして法令を守っている」と反発する声明を発した。同アプリは全世界で12億人超が利用しており、米国の措置がどう波及するかが焦点だ。
米商務省の措置ではウィーチャットの新規ダウンロードや更新、アプリが持つ支払い機能を禁じる。ウィーチャットは米国内で中国人留学生やビジネスマンなど1900万人が利用しているとされる。テンセントは声明で「解決に向けて米政府と議論を継続していく」とした。
米商務省の今回の措置は米市場での利用を念頭に置いたものだ。ただ米国以外でもテンセントのアプリ使用を控える動きが出ている。
中国広東省内の米系車部品メーカーでは8月いっぱいで業務用パソコンでのウィーチャットの使用を禁止した。現地従業員はこれまで習慣的にウィーチャットで業務連絡や書類の受け渡しをすることが多かったがメールなどに切り替えた。30代の男性社員は「使い慣れたツールが使えなくなり面倒だ」とこぼす。