ソフトバンクG、米携帯販社売却 残る創業者がカギに

ソフトバンク
2020/9/18 21:56
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ソフトバンクグループ(SBG)は18日、全額出資する米携帯販社ブライトスターを投資ファンドに売却すると発表した。ブライトスター株をすべて売却したうえで、新たな親会社の株式25%を取得する。14日に発表になった英半導体設計アームの売却でも同様の手法を取り、アームを事業子会社から投資対象に見直した。いずれも投資事業に集中しようとする今のSBGを象徴する再編となる。

SBGは18日、売却の理由を「非連結化した上で、今後は投資対象として株式価値の向上を期待する」と説明した。ブライトスターを連結子会社から外すものの、その親会社に出資する形をとることで、ブライトスター株の評価が今後高まった場合に投資成果を得られるようにした。

ブライトスターの元経営幹部が立ち上げた投資ファンドがつくる新会社に売却する。金額は非開示だが、SBGは売却の対価として現金と新会社の株式25%を受け取る予定。2021年3月期中に取引を完了する計画だ。SBGは14年にブライトスターを買い、累計17億2700万ドル(約1800億円)を投じた。

SBGは14日には、英アームを最大400億ドルで米半導体大手エヌビディアに売却すると発表した。売却の対価として現金のほかに最大8.1%のエヌビディア株を受け取る予定という。ブライトスターの売却スキームも同じで、同社も事業子会社から投資対象へと変わる。

ブライトスター売却は、米携帯通信関連のすべての事業運営から撤退することを意味する。SBGは20年4月に子会社だった米通信大手スプリントを同業の米TモバイルUSと合併させた。引き続き、合併後のTモバイルUSに約8%を出資しているが、米通信事業の経営からは手を引いているためだ。同事業との相乗効果を狙ったブライトスターの携帯販売事業はグループ戦略の中核から外れていた。

事業子会社としてのブライトスターを売却するものの、SBGは結果として経営を支える人材を得ることができたと言える。同社は現在、SBGの副社長を務めるマルセロ・クラウレ氏が1997年に創業した。携帯端末の中古販売などで成長して売上高は1兆円規模となり、従業員約5千人を抱えるようになった。SBGの孫正義会長兼社長はクラウレ氏を見そめ、14年に会社ごと買収した。

孫氏に手腕を買われたクラウレ氏は14年にスプリントの最高経営責任者(CEO)に就任。17年にはSBG取締役となってグループ全体に活躍の場を移した。18年に副社長となり、グループの海外事業を統括する。SBGの足元の最大の懸案の一つと言える米シェアオフィス大手ウィーカンパニーの会長にも19年秋に就任。SBGにとって、今後の業績を左右する重要な存在となっている。

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