危機回避へ備え拡充 アジア開銀総会、基金積み増し

2020/9/18 22:00
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アジア開発銀行(ADB)は18日、オンラインで開いた年次総会を終了し貧困国救済のための基金の補充を決定した。同日の東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)財務相・中央銀行総裁会議では新型コロナウイルスの対応に「すべての利用可能な政策手段を引き続き用いる」とする共同声明を採択した。アジア域内で危機回避に向けた備えを拡充する。

ADBの年次総会は5月に韓国で開催予定だったが新型コロナの感染拡大でオンラインに切り替えた。今回、資金の補充を決めたのは「アジア開発基金」。財政基盤の弱い貧困国向けに無償資金を提供する。40億ドル超を加える計画で、日本はそのうち35%にあたる約1000億円の拠出を表明した。

ADBは徴税力の弱い新興国向けに税務人材の育成や情報共有を担う「域内ハブ」の設立も決定した。より適正に国内で財源を確保できるようにして、危機への対応力を高める。域内ハブの設立は1月に就任した浅川雅嗣総裁が主張していた。

「下方リスクの兆しを注視し続ける」。ASEANプラス3で採択された共同声明は域内経済が回復に向かいつつあると期待しながらも、感染の再拡大に危機感を強くにじませる内容だった。

今回の会議では金融協力の枠組み「チェンマイ・イニシアチブ(CMIM)」の強化も決定。国際通貨基金(IMF)への救済申請をしなくても機動的に資金融通を受けられる枠を従来の3割から4割まで拡大した。

新型コロナの感染が拡大する前から決まっていた取り組みも多いが、感染の長期化が途上国経済を下押しするなかで国際連携の重要性は一段と強まっている。17日に閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・保健相合同会議も共同声明で新型コロナの薬やワクチンを途上国に安価に供給できる仕組み作りを含めて「世界的な対応を行う必要性」を明記した。

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