家計の資金余剰、18.3兆円で過去最大 給付金で貯蓄増

2020/9/18 22:00
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家計に手元資金がたまっている。日銀が18日発表した4~6月期の資金循環統計(速報)によると、家計の貯蓄の余裕を示す「資金余剰」の金額は18.3兆円と過去最大だった。新型コロナウイルスの感染拡大による消費活動の低迷や政府の給付金が影響した。家計にカネが滞留し続ければ経済成長の足取りが弱まりかねない。

日銀は四半期ごとに各部門の資金過不足の状況を公表している。資金過不足は期間中に得た資金と使った資金の差額で、収入が支出より多ければ資金余剰、少なければ資金不足となる。

4~6月期の家計部門の資金余剰は1~3月(4.2兆円)から4倍超に膨れ上がった。政府による1人あたり10万円の特別定額給付金で収入が増えた一方、外食や観光などの消費が抑えられ支出が減った。資金余剰額は東日本大震災後の自粛が広がった2011年4~6月期(10.1兆円)を上回り、統計をさかのぼれる2005年以降で過去最大を更新した。

企業部門は6兆円の資金余剰だった1~3月期から一転し、1兆円の資金不足となった。不足額は震災後の11年4~6月期(4.6兆円)に次ぐ大きさ。経済活動の停滞で収益が急減した一方、給与や賃料の支払いなど運転資金が流出した。

金融機関からの借り入れも増えているが「減収分を補うだけで前向きな設備投資には回っていない」(ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏)。

政府部門の資金不足は19.1兆円と、1~3月期(3.9兆円)から5倍近くに増えた。過去最大の緊急経済対策に伴うもので、不足額はリーマン危機後にあたる09年1~3月期の14.4兆円を超え11年ぶりに過去最大となった。政府からの資金が家計に滞留している構図だ。

第一生命経済研究所の星野卓也氏は「感染再拡大の懸念から家計の『守り』の姿勢は当面続く」と見る。国内総生産(GDP)の約6割を占める個人消費の低迷が続けば企業収益の回復は遅れ、成長力を高めるための投資も細ったままだ。星野氏は「新たな需要や消費を創出する取り組みが必要だ」と話している。

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