TikTok売却交渉、ウォルマートがオラクルに合流

米中衝突
2020/9/18 21:00
保存
共有
印刷
その他

中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業売却をめぐり、米オラクルと共に、米ウォルマートが出資に加わる案が浮上した。トランプ米大統領は米国時間の17日、記者団に「まもなく決断する」と発言。交渉は最終局面を迎えている。

トランプ氏はホワイトハウスで「米政権側の担当者がウォルマートやオラクルと議論した」と述べた。売却の枠組みや条件については対米外国投資委員会(CFIUS)が審査を進めているが、可否を含めた最終判断はトランプ氏が下す。

ティックトックが米国を含む国際事業を分離して米国内に設立する新会社については、ロイター通信などが17日、米国企業が新会社の6割超の株式を保有すると伝えた。

オラクルに加えてウォルマートが新会社に出資するほか、ティックトックの株主であるセコイア・キャピタルなどの米有力ベンチャーキャピタルも加わると見込まれている。北京字節跳動科技(バイトダンス)とオラクルが17日までに合意し米政権に提示した案だという。

ウォルマートはもともと、米マイクロソフトと組んでティックトックの米国事業の買収に名乗りを上げていた。今回はパートナーをオラクルにくら替えしてまでティックトックとの連携に執念をみせた格好だ。

ネット通販分野ではアプリやウェブサイト上で商品の紹介動画を生中継し、販売拡大につなげる「ライブコマース」の重要性が増している。ネット上で影響力があるインフルエンサーを介した販促で、ウォルマートもティックトックを通じた本格参入を狙っているもようだ。

また複数の欧米メディアは一連の売却交渉の完了後、ティックトックの国際事業を分離する新会社が年内に米国で新規株式公開(IPO)する見通しだと報じた。新会社の最高経営責任者(CEO)候補として、米インスタグラム共同創業者のケビン・シストロム氏の名前が取り沙汰されている。

トランプ政権は8月に出した大統領令で、ティックトックが米国の安全保障上の脅威になりうるとの理由で親会社であるバイトダンスに米国事業の売却を命じた。応じなければ、9月20日に米国内でのティックトックの使用を禁止するとしている。

大統領令を不服とする中国政府側はバイトダンスの強みとされる人工知能(AI)の「禁輸」をちらつかせて、ティックトックの売却交渉に介入。米国企業に中核技術が渡るのを制限することで、窮地に追い込まれた自国企業を側面支援する狙いとみられている。期限まで3日を切っても米中両政府の落としどころはまだ見えておらず、土壇場の攻防が続いている。(シリコンバレー=白石武志、ワシントン=鳳山大成)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]