ドコモ口座不正出金、使途を重点捜査 組織的犯行か

2020/9/18 19:23 (2020/9/19 5:14更新)
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「d払い」で、コンビニエンスストアや家電量販店で使われたケースが複数確認されている

「d払い」で、コンビニエンスストアや家電量販店で使われたケースが複数確認されている

NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を悪用した不正出金事件で、警察は引き出された銀行預金の使途に重点を置いて捜査を始めている。各地で商品の購入に使われたことが判明しており、購入者の特定を急ぐ。組織的な犯行とみられ、首謀者も含めた摘発のハードルは高い。

ドコモ口座を悪用した一連の不正出金は18日午前0時時点で全国11行、162件、計2764万円の被害が確認されている。ゆうちょ銀行と連携したPayPay(ペイペイ)やLINEペイでも同様の被害が明らかになっている。

ドコモによると、被害者の銀行口座からドコモ口座に不正に出金された預金をそのままATMで引き出すことはできない。電子マネー「d払い」の形で、コンビニエンスストアや家電量販店でたばこや家電の購入に使われたケースが複数確認されている。

預金を引き出された被害者の居住地とは離れた場所が多く、捜査関係者は「広いエリアにまたがる組織的な犯行とみられる」と話す。犯人グループは、購入した商品を転売して現金化する可能性が高い。

各地の警察は、店舗に設置された防犯カメラの映像などから購入者の身元の特定を進めている。さらに商品の取引や資金の流れを追うことでグループ内の指示役などの摘発を目指す。ある県警の捜査幹部は「サイバー犯罪では時間がたつと証拠の履歴(ログ)が消えてしまいかねない。捜査はスピード勝負になる」と話す。

2019年7月にはセブン&アイ・ホールディングスのスマートフォン決済サービス「セブンペイ」の不正利用事件が発生。サービスを悪用し加熱式たばこなどを購入したなどとして、警視庁など全国の警察は20年2月までに、中国籍の男女ら約20人を詐欺などの疑いで逮捕した。しかし、末端の購入役などにとどまっており、グループ内の指示役など上位者の摘発には至っていない。

セブンペイの事件には国際的な犯罪組織が関与したとみられており、被害に遭った利用者のアカウントには海外からの不正なアクセスが確認されている。海外には捜査の身元照会に応じないサーバー業者が多く、国によっては現地の捜査当局との連携も難しい。

ある警察関係者は「情報提供を求めても返答がなく、捜査が行き詰まるケースは多い」と説明。「今回のドコモ口座の事件でも海外が絡むと捜査は一段と難しくなる」と話している。

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