乳児傷害事件起訴取り消し、歯型と傷痕合わず 大津地検

2020/9/18 18:34 (2020/9/18 20:46更新)
保存
共有
印刷
その他

滋賀県で2019年9月に乳児の腕にかみつき、けがを負わせたとして母親(当時20)が傷害容疑で逮捕、起訴された事件があり、大津地検は18日、母親に対する傷害罪の起訴を取り下げたと明らかにした。母親の歯型と乳児の腕に残っていた傷痕が一致せず、母親は実行行為者ではないと判断した。大津地裁は同日、公訴(起訴)棄却の決定を出した。

記者会見する母親の弁護人を務める植平朋行弁護士(18日午後、大津市)=共同

記者会見する母親の弁護人を務める植平朋行弁護士(18日午後、大津市)=共同

母親は逮捕された日から、起訴の2日後に保釈されるまで23日間勾留された。地検は「警察から送致された重要な証拠内容の誤りに気付かなかった」と説明。母親の弁護側は、自白の強要など「違法な取り調べがあった」と批判し刑事補償を請求する方針も示した。

滋賀県警は「心よりおわびする。再発防止に努める」と謝罪。実行行為者などの捜査を続ける。大津地検の山上真由美次席検事も「真摯に反省し、同じことを繰り返すことがないよう努める」とし、母親には17日に直接謝罪した。

県警などによると、母親が乳児を連れて県内の病院へ来院した際、乳児の体に傷痕があったことから虐待の疑いがあるとして病院が児童相談所に通告。児相が通報して捜査が始まった。

県警は証拠として、母親を含む関係者数人の歯型を採取し、石こうの型を作り、母親の歯型を別の関係者のものと取り違えたことに気付かないまま、乳児の傷痕と「おおむね一致する」との鑑定書を作成。その後の19年秋に母親を逮捕し、鑑定書など捜査書類を地検に送致、報告した。

母親の弁護人の植平朋行弁護士によると、母親は逮捕直後に容疑を認める供述をしたが、翌日に否認。この際は鑑定書は示されていなかったというが、起訴後に証拠を精査した結果、傷痕の歯の本数と歯型の本数が違うことに気付いたという。

今年1月の第2回公判に証人出廷した県警の鑑定官が、歯型と傷痕が一致しない可能性があると認めた。〔共同〕

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]