静岡県伊東市の建設企業、東証プロ向け市場に上場申請

2020/9/18 18:22
保存
共有
印刷
その他

建設業のアートフォースジャパン(静岡県伊東市)が18日、東京証券取引所のプロ向け市場、東京プロマーケット(TPM)へ上場申請した。同社は、防災意識の向上で需要が高まる住宅向けの土壌改良工事を手掛ける。上場にはM&A(合併・買収)を視野に入れたさらなる業容拡大と優秀な技術者を確保する狙いがある。

アートフォースジャパンは、地面にくいを打つ地盤改良工事を手掛ける企業だ

アートフォースジャパンは、地面にくいを打つ地盤改良工事を手掛ける企業だ

アートフォースジャパンは1990年創業で従業員約150人。静岡県内のほか名古屋や大阪、福岡、熊本など合計18の営業拠点を全国に展開する。事業の柱は、住宅建設予定地の地盤調査と、調査で問題が見つかった場合の地盤改良工事だ。年間で調査を約7000件、工事を約5000件請け負う。

少子高齢化により新設住宅着工戸数は年々減少している。19年度は前年度比7.3%減の約88万戸にまで減った。一方、地震や水害が頻発する近年は防災意識が高まり、改良工事を行う割合は上昇している。同社によると新設住宅のうちの4割弱で実施しているという。沈下や隆起などの被害を最小限に抑える1つの方法として「土壌改良工事をする人が増えたのでは」(持塚隆取締役)と話す。

市場が拡大する中「着実に業容拡大してきたことが上場申請につながった」(持塚取締役)。16年と17年にリースや建設土木など関連業種の企業をM&Aしたり、20年には岐阜営業所を開設したりと積極的に投資してきた。19年12月期の連結売上高は45億円と、5年前に比べ倍近くに増えた。フィリップ証券を主幹事に選び、上場への準備を進める。

アートフォースジャパンの山口喜広社長

アートフォースジャパンの山口喜広社長

山口喜広社長は上場の狙いを「法令順守の姿勢を示すことと、人手不足が続く業界内での差別化だ」と語る。建設業界では05年ごろに耐震偽装問題が表面化し、法整備や不正防止が進んできた。建物を建てる前の土壌改良工事でも同様に信頼度向上を目指す。

建設業界は他の業界に比べても、より人手不足が深刻だ。帝国データバンク静岡支店が7月に実施した人手不足に関する調査によると、県内企業のうち正社員が不足している企業の割合は26%だったが、建設業だけでみると5割を超えた。アートフォースジャパンでも「現場と設計など合わせて30~40人は足りない状況だ」(山口社長)。上場による信用力や知名度の向上で、優秀な人材の確保に役立てる。

将来的には東証マザーズやジャスダックといった市場への参入も目指す。山口社長は「伊東市から売上高100億円の企業を出したい」と意気込む。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]