米デルタ航空、資金調達9400億円に増額 マイル担保で
【ニューヨーク=大島有美子】米デルタ航空は17日、既に発表している起債と借り入れによる資金調達の規模を90億ドル(約9400億円)に増額すると発表した。内訳は社債が60億ドル、借入枠の設定が30億ドルとする。収益を生むマイレージ事業を担保に設定する。

新型コロナウイルスの影響で航空需要が戻らないなか、中長期的な資金確保が狙いだ。14日時点では借入枠も含め65億ドルとしていた資金調達額を、25億ドル積み増す。社債は5年債を利回り4.5%で25億ドル、8年債を利回り4.75%で35億ドルそれぞれ23日に発行する。デルタとマイレージ事業を手がける子会社が社債を共同で発行し、共同で借り入れる。
米航空会社の間では、コロナ禍で新たにマイレージ事業を担保とする手法を編み出している。デルタは2019年、マイル販売で61億ドルの現金収入を得た。マイル自体は航空会社にとって負債に当たるが、仮に航空会社が破綻しても再建し、飛行機が飛び続ければマイレージ事業は担保価値を保つとの発想に基づく。
ユナイテッド航空は6月、50億ドルの借入枠を新設する際にマイレージ事業を担保に設定した。アメリカン航空も約50億ドルの米政府からの融資にマイレージ事業を担保とする方向で調整している。
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