タトゥー施術は医師免許不要 最高裁が初判断

2020/9/17 22:10
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タトゥー(入れ墨)の施術は医師免許が必要か――。最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は医師法違反事件の上告棄却決定で、医療行為に当たらず医師免許は不要とする初判断を示した。健康被害のリスクは「医師が独占的に施術する以外の方法で防ぐしかない」としている。決定は16日付。

この事件では医師免許を持たずに客にタトゥーを施した彫師の男性(32)が罪に問われた。罰金15万円の一審・大阪地裁判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した二審・大阪高裁判決が確定する。検察側が上告していた。

第2小法廷は、有資格を条件とした医療行為について「医師が行わなければ保健衛生上、危害が生じる恐れがある行為」とする基準を示した。「方法や作用だけではなく、目的、相手との関係、実情や社会の受け止め」などに基づいて線引きをすべきだとも指摘した。

タトゥーの施術は「美術の知識・技能が必要で、歴史的にも無免許の彫師が行ってきた実情がある」とし、「社会通念に照らして医療行為とは認めがたい」と結論づけた。裁判官3人全員一致の意見。

草野裁判長は補足意見で、タトゥーを巡る現状を「一部の反社会的勢力が自らの誇示に利用してきたことも事実だが、昨今は海外のスポーツ選手などに触発されて施術を求める人も少なくない」とした。「施術の需要そのものを否定すべき理由はない。危険を防ぐ規制をする場合は新たに立法をすべきだ」との見解を示した。

男性は2015年に罰金30万円の略式命令を受けた後、支払いを拒んで正式裁判で争っていた。

一審・大阪地裁判決は、針を皮膚に突き刺して色素を注入する行為は「皮膚障害やアレルギー反応、ウイルス感染を起こす危険性がある」と述べた。「危険性を十分に理解し、適切に対応するには医学的知識や技能が不可欠だ」として罰金刑を言い渡した。

二審・大阪高裁判決は「装飾的、美術的な意義がある社会的な習俗という実態があり、医療目的ではないことは明らかだ」などとして、罪の成立を認めなかった。

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