アウディジャパン、初のEV「eトロン」を発売
独アウディの日本法人、アウディジャパン(東京・品川)は17日、初めての電気自動車(EV)「eトロン」を日本で発売したと発表した。税込み価格は1327万円からで、完全に充電すれば405キロメートル走行できる。2025年までに世界販売の4割をEVやハイブリッド車(HV)といった電動車にする目標を掲げており、日本でも電動化を順次進める。

発売したのは多目的スポーツ車(SUV)のeトロンをベースに、クーペ仕様にした「eトロン スポーツバック」。同日の発表会でアウディジャパンのフィリップ・ノアック社長は「日本でも電動化に向けて新たな一歩を踏み出した。今後も積極的に推し進めていく」と力を込めた。

前輪と後輪を駆動する2つのモーターを搭載し、停止状態から5.7秒で時速100キロメートルに到達する。総重量700キログラムのバッテリーを床下に配置し、重心を低くしたことで安定した走りを実現したという。1回の充電で約405キロメートルを走れる。年内に200台程度の販売を見込んでいる。
欧州では19年に発売した。同社は25年までに20モデルのEV、10モデルのプラグインハイブリッド車(PHV)を発売することを目指す。日本ではeトロンスポーツバックに続いて21年初めにeトロンを発売し、走行性能を高めたスポーツ車「eトロンGT」なども展開していく計画だ。
海外メーカー各社は電動化に積極的だ。19年に独メルセデス・ベンツがEVのSUV「EQC」を日本で発売し、スウェーデンのボルボ・カーは日本で販売する全ての車を年内に電動車にする方針を掲げている。
アウディもクリーンディーゼル車など環境に配慮した内燃機関車の販売は続けるが「電動化への流れは止めることはできない」(ノアック社長)と、電動車攻勢を強めていく。「まずは乗ることで走行性能や静粛性などEVの良さを知ってほしい」(ノアック社長)。全国の40カ所以上でeトロンの試乗会を開き、普及を進める構えだ。
(為広剛)