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モルディブ、対中債務の膨張の恐れ 前政権が政府保証

【コロンボ=マルワーン・マカンマルカール】インド洋の島国モルディブが、対中国債務の膨張リスクにおびえている。中国の政府系銀行から民間企業が借りた資金に、前政権が政府保証を付けていたことが発覚したためだ。想定外の政府保証が発生すれば資金繰りは一層厳しくなりそうだ。

中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と握手する当時のヤミーン大統領(2017年12月、北京)=ロイター

モルディブのリゾート大手アーメド・シヤムは7月、中国輸出入銀行からの借入金総額1億2750万ドル(約134億円)のうち、1000万ドルの返済を求められた。同社は返済できず、銀行が代位弁済を求めたのはモルディブ政府だった。同国大統領府幹部は「政府が保証人として返済するよう要求された」と明かす。

同社は8月中に返済を終え、政府は危機を脱したが、専門家は同様のリスクがアジアの周辺国にもあると警鐘を鳴らす。

モルディブでは親中派のヤミーン前大統領のもとで中国から多額の資金を借り、中国の広域経済圏構想「一帯一路」の一部としてインフラ整備を推進した。2018年の大統領選で敗れると、在任中のマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑が表面化し、ヤミーン氏は19年に逮捕された。

アーメド・シヤムは同国最大のリゾートを建設するため輸出入銀と16年に契約した。経営者は議員でもあり、自身の政党はヤミーン氏の与党と連立を組んでいた。

18年の大統領選でヤミーン氏を下し就任したソリ現大統領の政権は専門委員会を立ち上げ、隠れ債務の洗い出しを進めている。モルディブの対中債務は公式には14億ドルとされるが、実際には35億ドル近くあるとソリ氏の側近らは見ている。

モルディブ政府を悩ませているのは、償還期限を迎える対外債務の返済だ。年末までに返済期限を迎える債務と利子は1億1700万ドルに上る。7月時点で外貨準備高は6億4900万ドルあるが、格付け大手フィッチ・レーティングスのディレクター、トーマス・ロークマーカー氏によると、債務返済に充てられるのは、そのうちわずか1億5600万ドルにとどまる。返済原資は1月時点から半減した。

リゾート大手の債務問題や外貨準備高の減少の背景にあるのは、新型コロナウイルスの感染拡大だ。モルディブは19年、過去最大の190万人の観光客を受け入れたが、感染防止で入国を制限したため20年1~7月の観光客数は38万人にとどまった。

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