20年度の実質成長率はマイナス6.2%、21年度は4.1%成長 NEEDS予測
内需は弱含むも、外需が回復を先導

2020/9/17 14:02
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日本経済新聞社の総合経済データバンク「NEEDS」の日本経済モデルに、内閣府が9月8日に公表した2020年4~6月期の国内総生産(GDP)の2次速報値を織り込んだ予測によると、20年度の実質成長率はマイナス6.2%、21年度は4.1%の見通しとなった。

20年4~6月期の実質GDPは前期比7.9%減(年率換算で28.1%減)だった。民間最終消費支出(個人消費)と民間在庫変動が1次速報から上方修正されたものの、設備投資が大きく下方修正されたため、成長率は0.1ポイントの下方修正となった。

7~9月期は個人消費と輸出の反動増と公共投資のプラス寄与により、前期比3.7%の成長を見込む。20年度後半は、雇用や企業収益の悪化が内需を下押しするが、海外景気の堅調な回復により輸出が緩やかに改善し、日本経済の回復を先導する。

■消費の回復弱く、所得・雇用環境悪化も下押し

足元の消費の基調は弱い。日銀公表の7月の実質消費活動指数(季節調整値、旅行収支調整済み)は前月比2.4%低下した。内閣府公表の8月の景気ウオッチャー調査では、家計動向関連の現状判断DI(季節調整値)は依然として景気判断の分かれ目である50を下回っている。7~9月期の消費は前期比4.5%増と前期の落ち込みの半分強を戻すにとどまる見通し。

年度後半にかけては、所得・雇用環境の悪化が次第に鮮明になり、個人消費を下押しする。厚生労働省公表の7月の毎月勤労統計(調査産業計、共通事業所ベース、速報)では、ボーナスに相当する特別給与が大きく減少した。冬のボーナスはより厳しいとみている。また、雇用調整助成金の特例措置が12月末に終了することで、雇用も悪化を予測している。

足元の落ち込みが大きく先行きも弱いため、20年度の消費は前年度比6.4%減となる。21年度は新型コロナの感染状況が好転するという前提のもとで緩やかに回復し、同3.8%増を見込む。

■中国・米国の景気回復で輸出持ち直し

海外経済は7~9月期から堅調に回復する見通しで、日本の輸出にとって好材料だ。中国国家統計局が発表した8月の購買担当者景気指数(PMI)は製造業で51.0、非製造業で55.2と、いずれも好不況の分かれ目となる50を上回った。中国の成長率は20年が2.3%、21年は9.1%と急回復を見込んでいる。米国経済も緩やかに改善に向かっている。米サプライマネジメント協会(ISM)公表の8月の景況感指数が製造業で56.0、非製造業で56.9と堅調だ。

日本の輸出は持ち直しが続く。日銀算出の実質輸出(季節調整値)は、7~8月平均は4~6月平均に比べ10.1%上昇している。GDPベースの輸出は4~6月期を底に着実に回復が続く。20年度は4~6月期の落ち込みが響き前年度比15.5%減となるが、21年度は外需の回復に支えられ同12.0%増を見込む。

■設備投資の本格回復は21年度以降

設備投資は低調な動きが続いている。経済産業省公表の7月の資本財出荷は、前月比9.1%低下と大きく落ち込んだ。7~9月期のGDPベースの設備投資は前期比1.0%減と2四半期連続でマイナスとなる見通し。20年度後半も設備投資の回復は緩やかなものにとどまる。内閣府と財務省が9月11日に公表した7~9月期の法人企業景気予測調査の設備投資計画(全規模全産業、ソフトウエア含む、土地を除く)も、20年度は前年度比6.8%減と前回調査から下方修正された。企業収益の悪化も下押し要因となり、GDPベースの設備投資は、20年度は前年度比5.2%減となる。

ただ、21年度の設備投資は堅調な外需や生産に支えられ、本格的な回復を見込んでいる。GDPベースの設備投資は前年度比4.8%増となる見通しだ。

なお、今回のNEEDS予測は、日本経済研究センターが20年9月に公表した改訂短期予測をベースにしている。

(日本経済研究センター 松尾朋紀、デジタル事業 情報サービスユニット 渡部肇)

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