国連総長、コロナ対応に「国際協調欠かせず」
【ニューヨーク=吉田圭織】国連のグテレス事務総長は16日、国連総会開幕に合わせた記者会見で、新型コロナウイルスによる死者が世界で100万人近くに上ったとして、「効果的な多国間主義が必要だ」と強調した。ワクチン開発や感染抑制などで国際協力への期待を表明した。

グテレス氏は3月、新型コロナの世界的な感染拡大を受け、医療支援が紛争地に届くよう国際社会に「コロナ停戦」を呼びかけた。22日の一般討論演説では年内までの停戦実現を各国に呼びかけると明らかにした。
ワクチンに関しては全ての人に行き渡るように「(複数の国が共同でワクチンを購入する)COVAX(コバックス)ファシリティーへの拠出に大きな進歩が必要だ」と指摘した。同枠組みでは参加国で資金を出し合ってワクチンを購入し、自国に加え、途上国にも届くようにする。
一方、誤情報の拡散でワクチンに対する「不信感が世界中で広がっている」と指摘。ワクチンが開発されても接種しないとみられる人が多いことに懸念を表明した。