新閣僚ってどんな人? 菅内閣20人の横顔

菅内閣発足
2020/9/17 11:00
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初閣議を終え、記念写真に納まる菅内閣の新閣僚ら(16日、首相官邸)

初閣議を終え、記念写真に納まる菅内閣の新閣僚ら(16日、首相官邸)

菅義偉内閣が発足した。首相を支える閣僚は全部で20人。万博相の新設に伴い1つ増えた。新閣僚はどんな横顔を持っているのか。

■副総理・財務・金融 麻生太郎氏

祖父は吉田茂元首相、妻は鈴木善幸元首相の娘で、2008年に第92代首相に就いた。12年12月の第2次安倍政権の発足以降、一貫して副総理・財務相を務めた。06年に立ち上げて第2派閥にまで膨らませた麻生派を率いて菅政権も支える。

首相時はリーマン・ショックへの対応に追われて衆院解散・総選挙の時機を逸した。新型コロナウイルスへの対応に追われる現状と重ね合わせ「新政権は早期解散を考えるべきだ」と主張する。今月20日に80歳となる。

■総務 武田良太氏

亀井静香元金融相の秘書を経て4度目の挑戦となる2003年衆院選で初当選した。若手議員をよく食事に誘うなど面倒見が良い。所属する二階派の二階俊博幹事長は「自分の苦労話をせずに、与えられた仕事をきちんとこなす」と語る。

小学校の作文で「内閣総理大臣になる」と書いた。ケネディ元米大統領とキューバ革命に参画したチェ・ゲバラを「大衆目線で若者に夢を与えた」と尊敬する。幹事長などを歴任した田中六助氏は伯父。

■法務 上川陽子氏

米ハーバード大学院で学び、米上院議員の政策立案スタッフを務めた国際派。政策コンサルティング会社を立ち上げた後、政界入りした。3度目の法相就任となる。

長女が中学2年、次女が3歳の時に静岡に戻り政治活動を始めた。東京にある保育サービスがないなど子育てと政治活動の両立に悩んだ。2007年に当選3回ながら少子化相に抜てき。自身の経験を交えながら、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)の必要性を訴えた。

■外務 茂木敏充氏

トランプ米大統領が認める「タフネゴシエーター」。安倍政権では経産相、経財相などを歴任し、日米貿易協定などの通商交渉をまとめた。生活は夜型で、その分朝が苦手。当日の国会答弁のための早朝勉強会をやめ、外務省内に働き方改革が前進したと歓迎の声が相次いだ。

米マッキンゼーなどを経て1993年衆院選で初当選した。竹下派の会長代行も務める。今回の総裁選では派閥の若手から出馬を求める声があがった。

■文部科学 萩生田光一氏

安倍晋三前首相の持病が再発し、体調が悪化した際は「無理をする必要はありません。もう少し休んだ方がいいのでは」と伝えた。文部科学相として小学校などの教育現場に足を運び、政策と実態に距離がないか確かめた。

明大在学中に地元、東京都八王子市議の秘書になり政治の世界に入った。北朝鮮による日本人拉致問題をきっかけに、市議時代から安倍氏と親交をもち、2003年に国政へ転じた。野球や映画観賞、サウナが趣味。

■厚生労働・働き方改革 田村憲久氏

安倍政権で厚労相に就き、危険ドラッグの規制強化などを実現した。新型コロナウイルス対策の政府・与野党協議会で党代表として野党と調整にあたった。新型コロナで厳しい対応を迫られる状況下での再登板となる。

建設会社勤務後、伯父の田村元・元衆院議長の秘書を経て政界入りした。菅義偉首相と総裁選を戦った石破派の事務総長を務め、同派から唯一の閣僚となる。健康への関心が高く「1日1万歩」を心がける。娘はTBSのアナウンサー。

■農林水産 野上浩太郎氏

慶大卒業後に三井不動産に入社し、都内の住宅整備などを手掛けた。富山県議を経て2001年の参院選で初当選。16年から3年間、安倍政権を官房副長官として支えた。日ロ首脳会談には担当として何度も同席した。

派手さはないが、自他共に認める口の堅さで菅義偉首相の信頼は厚い。

趣味は181センチメートルの長身を生かしたバスケットボール。中高大と続け、高校時代にはキャプテンとしてインターハイに出場した経験がある。

■経済産業 梶山弘志氏

自民党幹事長や官房長官を務めた故・梶山静六氏の長男。静六氏の秘書を経て鉱物を扱う専門商社の社長に就いた。地盤を引き継いで2000年に初当選し地方創生相や選挙対策委員長代理を務めた。現在は無派閥。

静六氏を師と仰ぐ菅義偉首相が派閥を超えた連携を呼びかけ、06年に設けた再チャレンジ支援議員連盟の事務局長を任された。資源問題など幅広い議連で菅氏と行動をともにしてきた。今も菅氏とともにほぼ毎年、静六氏の墓参りをする。

■国土交通 赤羽一嘉氏

高校時代にラグビー全日本高校選抜に選出。ラグビーをこよなく愛する。慶大卒業後、三井物産に入社。商社マンとして北京での駐在時代に天安門事件に遭遇した。中国語など語学に堪能だ。

安倍晋三前首相は1993年の当選同期で、若手議員の頃から酒を酌み交わす仲だ。公明党で数少ない官邸とのパイプ役になってきた。

実家はパン屋。衆院議員1期目に地元で発生した阪神大震災を機に、災害対策がライフワークとなった。

■環境 小泉進次郎氏

父・純一郎元首相に次ぐ政治家一家の4代目。環境相として出席した国際会議で、気候変動問題の取り組みを「セクシー」と表現した。国内の関心を高める狙いだったが物議を醸した。「自分の目が黒いうちに成し遂げたいのは福島の復興」と語り、毎年3月11日に東北の被災地を訪ねる。

菅義偉首相について「改革姿勢に共感する」と話し、こまめに面会する。1月に長男が誕生。閣僚在任中に育休を取得した。入浴やおむつ替え、ミルク作りを担当している。

■防衛 岸信夫氏

安倍晋三前首相の実弟で、岸信介元首相を祖父に、安倍晋太郎元外相を実父に持つ。2004年参院選で初当選し、12年衆院選で衆院にくら替えした。兄の首相在任中は閣僚に就かず、外務副大臣を2度務めた。今回が初入閣となる。

住友商事時代に米国やベトナム、オーストラリアに駐在した。超党派議員連盟「日華議員懇談会」(日華懇)の幹事長を務めるなど台湾とも関係が深い。地元・山口に米軍基地があり、安全保障政策にも精通する。

■官房・拉致問題 加藤勝信氏

大蔵省(現財務省)時代は主計局主査として労働予算や防衛予算を担当した。安倍晋三前首相の父・晋太郎元外相の側近の加藤六月元農相を義理の父に持つ。官房副長官として約3年にわたって官房長官としての菅義偉首相の仕事ぶりを間近で見てきた。

新型コロナウイルスの感染拡大後は明治神宮に毎週末、私的参拝し、収束を祈願してきた。4人の娘と自宅近くのカフェで食事するのが楽しみの一つ。酒も飲むが、プリンやアップルパイなどのスイーツに目がない。

■復興 平沢勝栄氏

警察庁出身。後藤田正晴官房長官秘書官を務め、政界入りした。「政策や理念が異なる政党が一緒になるべきではない」と公明党との連立に異議を唱えた。党の衆院比例代表候補の「73歳定年制」の撤廃を訴える。

東大在学中に、小学生だった安倍晋三前首相の家庭教師をしていた。勉強を教えるだけでなく、映画観賞したり、東大の学園祭に連れていったりした。平沢氏の故郷の岐阜を一緒に訪れ、飛騨高山などを観光したこともある。

■国家公安・防災 小此木八郎氏

父は通産相や建設相を務めた小此木彦三郎氏。渡辺美智雄副総理・外相秘書官などを経て、1993年衆院選で28歳で初当選した。国会対策委員会や議院運営委員会に長く在籍した。国家公安委員長は再登板となる。

小学生の時に彦三郎氏の秘書だった菅義偉首相と出会った。今回の総裁選で菅氏の選挙対策本部長に就いた。国会議員バンド「ギインズ」でボーカルを担当する。毎年恒例の年末ライブの歌い納めは「ニューヨーク・ニューヨーク」。

■行政改革・規制改革 河野太郎氏

行政改革相は2度目の就任となる。合理主義者で型にはまらない性格。防衛相として6月に地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の計画停止を決めた際は根回しをせず、自民党から批判を受けた。

河野一郎元農相を祖父に、洋平元外相を父にもつ。米国留学中にディベートで英語力を磨いたため、英語で聞かれると表現が踏み込みすぎて波紋を広げることも。衆院初当選時から首相をめざすと公言しており、今回の総裁選も出馬を模索した。

■一億総活躍・地方創生 坂本哲志氏

熊本県の地元紙記者を経て県議を4期務めた。園田博之氏が自民党を離党し「新党さきがけ」を立ち上げると行動をともにした。2003年衆院選で無所属で出馬、自民党公認の松岡利勝氏を破って初当選した。

12年党総裁選で、所属する派閥トップの石原伸晃氏の公約をとりまとめた。「聞き手にどう伝わるか。言葉の使い方に至るまで細かく見てもらった」と石原氏は振り返る。16年の熊本地震で自宅が被災、中学校のグラウンドで夜を明かし、復興支援に奔走した。

■経済財政・経済再生 西村康稔氏

経済財政・再生相で昨年初入閣し、今年3月からは新型コロナウイルス担当も兼務した。緊急事態宣言の期間中は「体重が3キロ減った」。東大ボクシング部で鍛えた体力を武器にお盆休みまで連続104日間、記者会見をした。

トランプ米大統領とメルケル独首相の間に安倍晋三前首相が立つG7首脳会議の写真で、安倍氏の左側に映った。当時は官房副長官。SNS上でコロナに関する記者会見を機に「あの人は西村氏だったのか」と話題になった。

■デジタル改革・IT 平井卓也氏

党内きってのデジタル政策通。若手経営者やプログラマーと定期的に意見交換会を開き、最新の情報をアップデートしている。国会審議にタブレット端末を持ち込み、ペーパーレス化も進めた。SNSに詳しく、ネットを使った党の情報発信を強化した。

同じ香川県選出で宏池会(現岸田派)の大平正芳元首相の田園都市国家構想にならい、「デジタル田園都市国家構想」を提唱。今回の総裁選で岸田文雄氏の政策の軸になった。

■五輪・女性活躍 橋本聖子氏

元スピードスケートの選手で1992年のアルベールビル冬季五輪の銅メダリスト。幼少期に腎臓病を患い、丸2年スポーツを禁じられた経験を乗り越えた。スケートと自転車で夏冬通じて7回の五輪に出場。日本選手団団長も務め「五輪の申し子」と呼ばれた。

スポーツ行政に長く関わってきた。2019年に五輪相で初入閣。来夏の東京五輪・パラリンピックへ「この1年の取り組みが大会後の人生に大きな価値を与える」と選手にエールを送る。

■万博・科学技術 井上信治氏

国土交通省の住宅局や航空局などの勤務を経て2003年衆院選で初当選した。環境副大臣として福島第1原発事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物の処分対応にあたった。

開成高校の出身。卒業文集に「みんなを喜ばすことができる政治家になりたい」と書いた。岸田文雄前政調会長がトップで、国会議員や官僚らでつくる高校同窓会「永霞会」の事務局長を務める。今回の総裁選では同じ麻生派で気脈を通じる河野太郎氏の擁立を検討した。

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