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女性活躍、現役世代支援 新政権の課題に識者が注文

 菅首相選出のニュースを伝える東京・秋葉原の大型モニター(16日)=共同

約7年8カ月ぶりに政権トップが菅義偉首相に交代した。女性や若者の活躍を掲げた前政権への評価と新政権への注文を識者に聞いた。

「女性活躍、道半ば」 ジェンダー論に詳しい国学院大の水無田気流教授

国学院大の水無田気流教授

安倍政権が女性活躍を前面に掲げたことは一定の意味があった。官邸レベルが唱えたことで、女性を取り巻く社会問題に世間の目が向けられ、日本が諸外国と比べてどれだけ遅れているかが浮き彫りになった。

だが、女性の社会進出が推進されたとは言いがたい。女性の就業率は上がったが、背景には非正規雇用の増加があり、女性の管理職登用は微増にとどまる。男女格差の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」も先進国最低水準が続く。改善点を挙げればきりがない。

菅新政権は安倍路線の踏襲を強調するが、発足した内閣の顔ぶれに女性が少ないことは気がかりだ。女性活用に関する考え方も現時点で明確なものは見えてこない。

女性の活躍には在宅勤務やテレワークなどIT(情報技術)を駆使した多様な働き方に加え、女性が家庭内でこなしてきた家事や育児などの無償労働に対する価値観の見直しなど、多岐にわたった抜本的なアプローチが必要だ。絵に描いた餅で終わらない対策を実現できるリーダーシップが求められている。

「若者の賃金改善が課題」 ネットや若者に詳しい東京工業大の西田亮介准教授

東京工業大の西田亮介准教授

新型コロナウイルスの影響で景気の先行きが見えない中、今後も経済政策が重要なテーマになる。新閣僚は再任や再登板の大臣が目立ち、手堅さが強調される一方で真新しさはなかった。菅氏は安倍政権の路線継承を掲げており、大企業などを優遇する税制も変わらないとみている。

世帯ごとの平均収入はアベノミクスで顕著に改善しなかった。非正規雇用が拡大し、現役世代の若者は不安定で弱い立場に置かれている。菅氏は携帯電話料金の値下げなど生活につながる政策に意欲を示すが、実質賃金の改善も課題だ。子育て世帯を支える大胆な施策や、デジタル化の遅れを指摘される教育分野など未来への投資に力を入れてほしい。

安倍政権はSNS(交流サイト)の反応を「可視化された民意」として尊重してきた。コロナの特別定額給付金が対象世帯を限定した30万円から全国民一律10万円給付に変更されたのも一例とみている。少数派の軽視や政策のポピュリズム(大衆迎合主義)化が進まないかも懸念している。

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