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4大監査法人の前期、業務収入6%増 4年ぶり高水準

監査業界で「ビッグ4」と呼ばれる4大監査法人の2020年度決算(20年5月期または6月期)が出そろった。売上高にあたる業務収入は4法人とも前の期を上回り、合計で6%増えた。過去の一部法人の決算期変更の影響を除く実質ベースでは4年ぶりに高い伸びとなった。新型コロナウイルスを受けた監査工数の増加や監査の単価引き上げなどが寄与した。

EY新日本監査法人、監査法人トーマツ、あずさ監査法人、PwCあらた監査法人の決算を集計した。

監査報酬は一般に、監査に必要な工数と単価のかけ算で決まる。20年度は新型コロナによって顧客企業の事業環境が激変。資産の減損損失や引当金の計上など、見積もり項目を監査するのに時間がかかった。コロナ収束時期の想定といった情報開示を求められたことも影響した。

報酬の増額交渉も収入増に結びついた。トーマツの業務収入は5%増の1145億円。不正の兆候を精緻に見極めるための人工知能(AI)活用などデジタル関連の投資が増えるなか「監査品質の向上に見合った報酬について顧客に理解してもらえた」(トーマツ)。

あずさの業務収入も1059億円と5%増えた。顧客企業がM&A(合併・買収)で規模を拡大したことや海外上場に伴って監査業務が増えた。

監査以外の「非監査業務」の収入も増えた。国際会計基準(IFRS)導入や海外子会社のリスク管理、不正調査などに関する支援業務が堅調だった。専門部署を持つPwCあらたは、非監査収入が17%増の282億円と大きく伸びて監査収入(6%増の261億円)を上回った。

一方、費用面では人件費の増加が目立った。コロナを受けて顧客企業とデータや書類をネット経由でやり取りする「リモート監査」が広がった結果、業務が遅れて残業が増えた。EY新日本は会計士の人手不足に対応するため、非管理職の給与を上げた。4法人合計の純利益は10%減の63億円だった。

「KAM」と呼ばれる会計リスクの開示が21年3月期から義務化されるほか、売上高の計上ルールをIFRSとそろえる「収益認識基準」も21年4月から適用される。各法人は必要な人員の確保を進めており、人員数(役職者であるパートナーと職員の合計)は増加傾向にある。デジタル技術の利用を広げ、業務効率につなげられるかが課題となる。

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