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無敗三冠馬、牡牝そろって誕生か 秋季競馬で注目

2020/9/19 3:00
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ダービーを圧勝、15年ぶりの無敗三冠に挑むコントレイル=JRA提供

ダービーを圧勝、15年ぶりの無敗三冠に挑むコントレイル=JRA提供

コロナ禍に伴う無観客開催が長期化する中、中央の秋季競馬が幕を開けた。春に無敗のまま二冠を制した牡牝の3歳王者が、そろって三冠を達成するかが最大の見どころ。昨年末にホープフルステークス、今年は皐月賞、日本ダービーと、G1を3勝したコントレイル(父ディープインパクト)は、9月27日の神戸新聞杯(中京・G2)で始動し、菊花賞(京都)に進む。史上最少タイのキャリア3戦目で桜花賞を勝ち、続くオークスも制したデアリングタクト(父エピファネイア)は、10月18日の秋華賞(京都)に直行。両馬とも栗東に戻っている。

父ディープインパクト以来、15年ぶり3頭目となる無敗の三冠を目指すコントレイルはダービー優勝後、鳥取県の調教施設「大山ヒルズ」で調整されていた。9月4日に栗東に帰還し、9日に坂路で800メートル54秒5を計測。16日には周回コースの併走調教で年長の重賞勝ち馬を圧倒した。

ダービー時の体重が460キロと、父に似て馬体はコンパクトだが、休養を経てさすがに増えたもようだ。ただ、ホープフルステークスから4カ月近い間隔で皐月賞を優勝。神戸新聞杯は今後を見据えて、余裕を残して仕上げると思われるが、負けが許されない雰囲気である。

■コントレイル、三冠の可能性が高く

ライバルは手薄だ。皐月賞、日本ダービーとも2着はサリオス(父ハーツクライ)で、2着と3着の差が大きかった。皐月賞は3着ガロアクリーク(父キンシャサノキセキ)と3馬身半差で、ダービーは3着ヴェルトライゼンデ(父ドリームジャーニー)と1馬身3/4差。もともとサリオスは1600メートル向きとされ、陣営は距離延長を不安視していた。2400メートルのダービーで、3着との差が詰まったのも、その辺の影響と思われるが、2頭の絶対能力が他馬を引き離していた。

そのサリオスは今秋、天皇賞(11月1日東京)路線に向かい、そこからは1600メートル路線に向かう見通し。菊花賞では最大の難敵が不在となるのだ。また、夏以降に勝ち進んで注目を集めた上昇馬も見当たらず、三冠達成の可能性が高そうだ。

コントレイルとて、菊花賞の3000メートルが「得意」ではない。2戦目の東京スポーツ杯2歳ステークス(芝1800メートル)で、1分44秒5という古馬重賞並みの破格のレコードを出したように、持ち味はスピード。道中の折り合い面などで、自滅しないことが記録達成への鍵か。夏以降は天候不順で、どの競馬場も芝の状態が良くないが、皐月賞時は渋った馬場を克服しており、極端に悪化しない限りは問題なさそうだ。

菊花賞後も注目される。ディープインパクトは2005年、神戸新聞杯、菊花賞と勝ち進んだが、年長馬と初めて対戦した有馬記念で、1歳上のハーツクライの先行策の前に、初黒星を喫した。コントレイル陣営は菊花賞後、ジャパンカップに参戦する意向で、無事なら年長馬との初対戦が実現する。コロナ禍で海外遠征が難しく、今秋は国内G1に強豪が集結しそう。真価を問われるのは菊花賞後かもしれない。

史上初の無敗の牝馬三冠に向け、秋華賞に直行するデアリングタクト=JRA提供

史上初の無敗の牝馬三冠に向け、秋華賞に直行するデアリングタクト=JRA提供

コントレイルは前哨戦に出走するが、史上初の無敗の牝馬三冠を目指すデアリングタクトは、秋華賞に直行する。栗東に戻ったのはコントレイルより2日早い9月2日。13、16日と栗東の坂路に入り、16日は800メートル55秒3。目標はまだ先だが、徐々にペースを上げている。

新馬戦からエルフィンステークスまでが12週、そこから桜花賞までが9週と、間隔を長めに取るのが常で、桜花賞とオークスの間の6週が最短だった。過去4戦の体重は464~466キロとほぼ変動がなく、仕上げやすいタイプのようだ。過去2年の秋華賞で、アーモンドアイ(父ロードカナロア)、クロノジェネシスがオークスから直行して優勝した点も心強い。

■デアリングタクトもライバルが手薄

前哨戦のうち、12日には紫苑ステークス(中山)が行われ、出走18頭中唯一の重賞勝ち馬だったマルターズディオサ(父キズナ)が先行策から優勝。同馬は3月にチューリップ賞(G2)で、レシステンシア(阪神ジュベナイルフィリーズ優勝、桜花賞とNHKマイルカップ2着、父ダイワメジャー)を破った実績馬。勝った反動で桜花賞、オークスは不振だったが、休養で立ち直った。

20日にはローズステークス(中京・G2)が行われ、オークス4着のリアアメリアなどが注目を集めている。ただ、レシステンシアは上半期の疲労が抜けず、陣営が秋華賞回避を表明。オークス2着のほか、G2勝ちのあるウインマリリン(父スクリーンヒーロー)は、右肘の腫れの影響で、まだ美浦に戻っていない。秋華賞に直行するとしても時間的にはギリギリのタイミングで、完調で臨むのは難しいか。牡馬路線と同様、ライバルが手薄な中での三冠挑戦となりそうだ。

ただ、同じ京都でも、菊花賞が芝外回りであるのに対し、秋華賞は内回り。枠順や展開で明暗が分かれることも多い。デアリングタクトはオークスでも、道中から他馬のマークに遭い、直線も進路確保に苦労した。三冠がかかる今回はより難しい戦いとなりそうで、松山弘平騎手の手腕も注目される。

■古馬G1は牝馬に勢い、天下続くか

菊花賞、秋華賞が終われば、3歳トップ級も古馬G1に合流する。古馬G1は牝馬に勢いがあり、上半期の牡牝混合の古馬の芝G1で5戦4勝。高松宮記念のモズスーパーフレア(父スペイツタウン)は1位入線馬の降着で繰り上がったが、主流路線といえる大阪杯、宝塚記念や、G1勝ち馬10頭が集まった安田記念を、全て牝馬が勝ったのは異例だ。10月4日のスプリンターズステークスでは、モズスーパーフレアと、安田記念優勝のグランアレグリア(父ディープインパクト)が対決。天皇賞・秋では国内外G1で史上初の8勝を狙うアーモンドアイに、宝塚記念圧勝のクロノジェネシス(父バゴ)が挑む。

一方で牡馬勢は手薄。G1を2勝したサートゥルナーリア(父ロードカナロア)は上半期の疲労が抜けず、復帰の見通しが立っていない。長距離G1を3勝した5歳のフィエールマン(父ディープインパクト)が、2000~2400メートルでどう戦うかが注目される程度。コントレイルの合流に期待が高まる理由だ。

(野元賢一)

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