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NHK、ネット事業費上限撤廃 来年度は4%増

NHKは15日、2021年度のインターネット業務の事業費が前年度比4%増の197億円になる見通しだと発表した。受信料収入に占める割合は2.9%に相当する。テレビ放送とネットの同時配信の拡大などに充てる。ただ、民放はNHKの業務拡大を懸念しており、議論を呼びそうだ。

NHKはこれまでネット業務の事業費を受信料収入の2.5%を上限とする基準があったが、同基準を事実上撤廃する。今後は事業費そのものを中期経営計画で公表するとしている。

同日に会見を開いた松坂千尋専務理事は「こういう業務にこれくらいお金がかかると示すことが大切と考えた」と指摘する。

拡大するネット事業の予算で、同時配信の時間拡大や地方向け番組の配信を強化する考えだ。20年度のネット事業予算は189億円。22年度は194億円、23年度は193億円とする計画を打ち出した。

今回の計画案は16日から10月15日まで視聴者の意見を募集し、その後に総務相に認可を申請する。

NHKのネット事業の拡大を巡り、前田晃伸会長は8月の会見で「(予算上の上限だった)2.5%は20年度限りの制約だと認識。費用は抑制的に運用しつつ、ネットの利活用はしっかりやりたい」と発言した。9月10日の会見でも「ネットは本来の業務としての位置づけが実態に合う」とネット業務の強化に意欲を示していた。

ただ、NHKのネット活用に対する民放各社の目は厳しい。日本民間放送連盟は15日「改革の全体像を示さずに業務領域を広げることになる」とけん制した。9月上旬にも、NHKが8月に発表した中期経営計画案に対して「NHKは常に民業を圧迫するリスクをはらむことを意識する必要がある」と表明している。

背景にはNHKの特殊な事業環境がある。NHKは放送法に基づく特殊法人で受信料に支えられている。さらに法人税は支払わず、納税は地方税の一部にとどまっている。これらの優遇策が公平な競争を阻害しているとの見方は多い。

ネット同時配信は民放キー局では日本テレビ放送網が10月から試験的に始める段階で、NHKが民間より先行する。このことも民放各社の警戒感につながっている。

今回発表したNHKのネット事業の計画案は最終的に総務相の認可を得る必要がある。高市早苗総務相は15日の会見で「NHKは受信料のあり方を含めて、ネット業務の活用で新たな方向性を切り開かねばならない」と話している。今後幅広い議論を呼びそうだ。

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