インフル患者、例年より大幅減 コロナ対策が影響か
インフルエンザの患者数が異例の低水準となっている。厚生労働省が今シーズン初めて公表した9月6日までの1週間に報告された患者数は3人で、2019年同時期の1千分の一以下にとどまった。新型コロナウイルス対策で国民の衛生意識が高まっていることなどが背景にあるとみられる。

今冬は新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念されており、政府は検査体制の拡充などを急いでいる。
厚労省が11日に公表したインフルエンザ患者の発生状況によると、8月31日~9月6日の1週間に全国約5千カ所の医療機関から報告された患者数は岐阜県、大阪府、沖縄県で1人ずつ。例年はこの時期でも数百人が報告されており、19年同時期は沖縄での大流行により3813人に上った。
19~20年のシーズンは20年2月ごろに減少傾向となり、推計患者数の累計は前シーズンから4割減の729万人にとどまった。新型コロナの感染拡大で外出自粛や感染症対策が広がった影響が指摘されている。
インバウンド(訪日外国人)など国内外の往来もインフルエンザ流行の原因の一つとされており、けいゆう病院(横浜市)感染制御センターの菅谷憲夫センター長は「患者数が低水準なのはインバウンドが少ないことが影響している」とみる。
南半球のオーストラリアで冬に当たる6~8月ごろにインフルエンザの流行が見られなかったのも「国境を越えた往来が制限されているためと思われる」と話している。

新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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