米大統領選、西海岸の山火事で舌戦
バイデン氏、環境政策訴え トランプ氏は冷淡

2020/9/15 18:05
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【ワシントン=永沢毅】米西海岸で広がっている山火事被害を巡り、トランプ米大統領と民主党のバイデン前副大統領が舌戦を繰り広げている。バイデン氏は山火事の背景には地球温暖化があるとして対策強化を主張。環境政策に冷淡なトランプ氏はそうした見解を退け、対立が鮮明だ。

トランプ大統領はカリフォルニア州で山火事被害に関する報告を受けた=ロイター

山火事はいずれもカリフォルニア、オレゴン、ワシントンの西部3州で複数カ所で続いており、米メディアによると、14日までに少なくとも36人の死亡が確認された。山火事が長引いて被害がさらに拡大すれば、大統領選の争点に浮上する可能性もありそうだ。

トランプ氏は14日にカリフォルニアを訪れ、州知事らと面会した。州で自然保護を担当する幹部らに「気候変動が山火事をおこしていると認識してほしい」などと指摘されると、トランプ氏は「実際には科学でも分からないことがある」「火はおさまるだろう」などと一蹴した。

これに先立ち、記者団には「フィンランドにも森があるが、カリフォルニアのような問題は起きていない」と述べた。地元自治体の森林管理のあり方に問題があるとの認識を示したものだ。

これに対し、バイデン氏は14日、地元の東部デラウェア州での演説で「地球温暖化を否定するのではなく、行動が必要だ」と強調し、気候変動問題に取り組むべきだと訴えた。トランプ氏を「気候の放火犯だ」と痛罵し、「もし気候変動を否定するトランプ政権があと4年続けば、山火事でどれだけの街が焼かれるのか」と政権奪還の必要性を力説した。

両候補は気候変動問題への姿勢が対照的だ。トランプ氏は地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱した。エネルギー活用では化石燃料を重視し、関連業界の活動を阻害しかねない規制緩和を推進してきた。オバマ前政権でこの問題に深く関わったバイデン氏はパリ協定への復帰を唱え、風力発電などクリーンエネルギーへの多額の設備投資を促している。

民主党は副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員が15日にカリフォルニアを訪れ、現地の関係者と協議する。カリフォルニアはハリス氏の地元でもある。大半の選挙活動を地元でこなすバイデン氏への批判も意識し、現地入りして対策への姿勢をアピールする狙いがある。

黒人暴行死などを受けて全米各地で続発している暴動への対処が甘いとのトランプ氏からの批判をかわし、同氏への新たな攻撃材料としたい思惑もうかがえる。

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