Go To、宿泊業者の6割参加 東京追加で利用加速へ

経済
サービス・食品
2020/9/15 16:25
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政府の観光支援事業「Go To トラベル」に参加する宿泊事業者が2万2千社と全体の6割超に達した。利用者は延べ1300万人を超え、需要喚起の効果を上げつつあるとみられる。10月から補助対象となる見込みの東京発着分の割引商品の販売も9月18日正午に始まる。最大市場の参加で利用に弾みがつく一方、感染防止対策が一段と重要になりそうだ。

トラベル事業は9月14日時点で2万2138の宿泊事業者が参加している。登録率は63%まで上昇しており、8月24日時点の49%から10ポイント超上がった。登録申請中の事業者も含めると宿泊事業者の7割が参加することになる。旅行会社の登録率も6割を超えた。

赤羽一嘉国土交通相は9月15日の閣議後の記者会見で、利用者数が8月末の時点で延べ1339万人だったと公表した。新型コロナウイルスの感染拡大前の19年8月の日本人宿泊者数は約5400万人だった。単純比較はできないが、事業の利用者数はその2割超に相当する。

トラベル事業は新型コロナで大きな打撃を受けた国内観光の需要喚起が目的。観光庁の調査によると日本人の宿泊者数は5月に前年同月と比べ82%減っていた。

7月のマイナス幅は46%減に縮まった。下旬から補助が始まった効果もあるとみられる。宿泊者のうちどの程度がトラベル事業の利用者かは不明だが、一定の下支えになったとは言えそうだ。

10月に東京が事業の対象に加われば、利用の一層の増加が想定される。都内は1400万人の人口と、多くの有名観光地を抱える。7月の事業開始時は感染が拡大していたため、東京発着分は事業から除外された経緯がある。

東京の追加は9月11日に開いた政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会で基本的な了解を得た。9月下旬以降の感染状況を見極めて最終判断する。今後、再び感染が急拡大すれば、除外を続ける可能性もある。

政府はトラベル事業が感染拡大を助長しないよう対策を強化している。観光庁などは9月から事業に参加する数万の宿泊施設への訪問調査を始めた。約千人の体制で感染防止対策をチェックし、不十分な場合は是正を求める。対策が実施されていない場合は参加登録を取り消す姿勢で臨む。

補助を利用した感染者は現時点で7人にとどまる。今後大きく増える状況になれば、事業の継続が危うくなる事態も想定される。

トラベル事業は国内旅行の代金を半分まで補助する。1泊あたり1人2万円を上限に7割を旅行代金の割引、3割を飲食店や土産物店で使えるクーポンとして配布する。

野村総合研究所の木内登英氏はトラベル事業について「利用は着実に伸び、観光事業者に一定の需要が戻っているが、高額の旅行商品に利用が偏っていることは課題」と指摘。その上で「低価格の旅館、高速バス事業者などには十分に支援が行き渡っていない可能性があり、政府の施策である以上、恩恵が平等に行き渡るようにすべきだ」と求めている。

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