豪カンタス、本社移転を検討 コロナ受けリストラで
【シドニー=松本史】オーストラリアの航空最大手カンタス航空は15日、シドニー空港近くにある本社の移転を検討すると発表した。新型コロナウイルスによる航空需要の落ち込みを受けて進めるリストラ策の一環という。既に大規模な人員削減を表明しており、コスト削減による経営立て直しを目指す。

カンタスによると、同社が支払うオフィスの賃借料は年間4千万豪ドル(約30億円)。傘下の格安航空会社(LCC)、ジェットスターの本社は豪第2の都市メルボルンにあり、これをカンタス本社と集約する案などが出ているという。このほかシドニーやメルボルン、ブリスベンにあるパイロット訓練施設や航空機整備場の統合も検討する。
バネッサ・ハドソン最高財務責任者(CFO)は声明で「コロナの影響で他の大半の航空会社と同じく、我々もしばらくの間は小規模な企業になる」と述べ、効率を重視する姿勢を強調した。
カンタスは6月、6千人の人員削減を発表している。8月には機内清掃や荷物管理など地上業務の外部委託案も明らかにし、実施すれば削減規模は2500人になる可能性があるとしている。
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