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女子ゴルフ、やまぬルーキー旋風 メジャーでも台頭

編集委員 吉良幸雄

日本女子プロの第3日、首位に立った西村=共同

女子ゴルフでツアー開幕戦のアース・モンダミン杯から続く「ルーキー旋風」が止まらない。13日に閉幕した今季第5戦の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯(岡山・JFE瀬戸内海GC)ではプロ7年目の永峰咲希(25)が通算12アンダー、276で国内メジャー初優勝を飾った。だが、女子プロ日本一決定戦の最終日を単独首位でスタートしたのは、昨年11月のプロテストで合格したばかりの西村優菜(ゆな、20)だった。

日本女子プロを制したのはプロ7年目の永峰=共同

ともに日本女子アマ優勝者である安田祐香(19)、吉田優利(20)らとともに「ミレニアム世代」とも称される2000年生まれの西村は、大阪・堺市出身。大阪商大高時代から活躍し、畑岡奈紗が史上最年少でメジャー制覇を果たした16年日本女子オープン(栃木・烏山城CC)では6位に入っている。プロテストは2位で突破。今大会では2日目を68で回り23位から2位に浮上、3日目に67をマークし首位に立った。

身長150センチ、50キロ。プロ同期の山下美夢有(みゆう、19)と並ぶスモールサイズだ。ジュニア時代は背を伸ばしたくて「牛乳やプロテインとか、いっぱい飲みましたよ」。バッグの中には1、3、5、7、9番ウッドにユーティリティー。「背が低いのでショートウッドを活用」。7番ウッドで190ヤード、9番で180ヤード飛ばす。小柄なぶん、「飛距離が出ないハンディはあるけど、ゴルフ全体で(飛距離不足を)カバーできる」。

元世界ランク1位の申ジエ(韓国)は飛ばし屋ではないがショット力があり、アプローチも抜群にうまい。「バーディーチャンスは逃さない、かっこいいゴルフスタイル」は自らの目指すところでもある。

ドローヒッターで、得意クラブはショートアイアン。「100ヤード以内が特に。パー5で(2打で)乗らなくてもチャンスにつけられる」。同選手権でもピンを刺すショットでバーディーを重ねた。体の小ささはハンディじゃない。小さくてもゴルフはできる。プレーを通じて、後に続く世代にそう思わせたいと西村は願っている。

大会前、コースセッティング担当の岡本綾子は優勝争いについて「ショートアイアンのうまい選手、ウエッジや9番アイアンの精度の高い選手が頑張るのでは」と話していた。チャンピオンの永峰もショットメーカーの一人。優勝スコアの12アンダーも「10~15アンダー」と話した岡本の見立て通りだった。

西村はツアー生き残りのためパット力も磨いている=共同

小技を武器にしないとツアーで生き残るのは難しいと、西村はパット力も磨いている。パッティンググリーンでは練習用のスティック棒を2本置き、その間にティーを2本、ボールの50センチほど先に刺して「ゲート(門)」にし、「アドレスで目線とカップがしっかり合うよう、2~3メートルの距離で練習している」という。

当然ながらマネジメント力も必要だ。ゴルフノートに毎日、気づいたことをメモしている。「良かったことを書くように。悪いことばかり書くと、それが記憶に残ってしまう」。プラス思考で、プレーが縮こまらないように気をつけているのだろう。

リンクス風コースの瀬戸内海GCは、プロテスト会場でもあった。最終日を前に「プロテスト合格の地でこうやって(上位で)プレーできるのはうれしい。優勝はもちろん、常にトップ10、上位で戦える選手になりたい」と抱負を語ったが、最終日はバーディーチャンスをなかなかつくれず4ボギーの76、7位タイに。柔らかい笑みも浮かべながら「体も動かず、思うようなプレーができなかった。すごい緊張感もあったし、メジャーならではの難しさもあり、勉強になった」と反省の言葉を口にした。

ただ7位はニトリ女子の9位を上回り、プロとしては自己ベスト。堅実なプレーで、今後も優勝争いに顔をのぞかせるのでは。

NEC軽井沢72、ニトリ女子と2戦連続優勝した19年プロテスト合格組の「フロントランナー」笹生優花(19)は、首位と2打差の4位から逆転Vを目指したが、最終日は1バーディー、5ボギーの76で13位に終わった。「ボギーを打つのも不思議じゃないんで、しょうがない。風のせいでもないし、それもゴルフ」と淡々と敗戦の弁。

笹生は現在、賞金ランクでトップに立つ=共同

豪快なドライバーショットでツアーを席巻、賞金ランキングは現在トップ(6208万円)に立つ。パワフルなゴルフは男子並みで、元賞金王の藤田寛之は「NECで笹生さんのスイングを見てびっくり。あのヘッドスピードの速さにはエッと思った」。ただ笹生は「楽しんでプレーしたい」と繰り返す割には、表情にやや疲れを感じさせた。ゴルフ5(29位)に続いてトップ10を外したが、今週のデサント女子東海クラシック(新南愛知CC美浜)はどうだろうか。

19年プロテストで大会コースを4ラウンド以上プレーしたアドバンテージはあったはずで、日本女子プロで決勝ラウンドに進んだ68人のうち、西村や笹生、22位の西郷真央、27位の吉田優ら9人が同テスト合格組だった。開幕戦では西郷、98年度生まれで「黄金世代」の田中瑞希(21)に加え、昨年10月の富士通女子で優勝しプロテストを経ずにプロ入りした古江彩佳(20)が最終日最終組で回っている。コロナ禍で、20~21年と2年間にまたがる変則シーズンとなった今季、めざましいスタートダッシュを見せる新人が、いつまで走り続けるのだろう。

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