20年のアジア新興国、実質マイナス0.7%成長 ADB

2020/9/15 10:30
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【マニラ=遠藤淳】アジア開発銀行(ADB)は15日、2020年のアジア新興国・地域(アジア大洋州の46カ国・地域)の実質成長率がマイナス0.7%に落ち込むとの見通しを発表した。6月時点のプラス0.1%から大幅に引き下げた。新型コロナウイルスの感染拡大でインドなどの景気が一段と悪化する。

新型コロナウイルスの検査を受けるインドの人々(10日、グジャラート州)=AP

新型コロナが20年末までに収束し、経済活動が再開されるとの前提で予想した。予想通りとなれば、58年ぶりのマイナス成長となる。

インドの成長率は6月時点のマイナス4.0%からマイナス9.0%に下方修正した。インドでは新型コロナの感染拡大ペースが加速しており、企業活動が一部で制限され、経済への打撃が大きくなるとみる。

東南アジアはマイナス2.7%から同3.8%に見直した。最も落ち込みが激しいのがタイでマイナス8.0%と予測した。新型コロナによる渡航制限で経済の屋台骨の観光業が低迷し、世界貿易が鈍化することも響く。フィリピンはマイナス7.3%、シンガポールはマイナス6.2%となる見通しだ。

中国の成長率は1.8%で、6月時点から据え置いた。いち早く新型コロナを封じ込め、経済活動の再開に動いていることが大きい。感染者数が比較的少ないベトナムや台湾も20年はプラス成長を維持する見込みだ。

アジア大洋州の46カ国・地域について、21年の成長率を6.8%と予想し、6月時点の6.2%から引き上げた。ADBの沢田康幸チーフエコノミストは21年の予想について「20年の落ち込みが大きな分だけ反動で伸び率が高まるが、実額ベースでは(横ばいからゆっくりと上向く)『L字型』に近い緩やかな回復にとどまる」と話す。新型コロナの流行が長期化すれば、20年、21年ともに下振れリスクがあると説明した。

ADBは毎年4月ごろに加盟国・地域の成長率予想をまとめた「アジア経済見通し」を発表し、四半期ごとに見直している。今回は6月に次いで2回目の改定になった。

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