OPEC、20年の石油需要を0.4%下方修正 コロナ拡大で
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【カイロ=久門武史】石油輸出国機構(OPEC)は14日、世界の2020年の石油需要見通しを下方修正した。前月の予想より0.4%少ない日量9023万バレル(前年比9%減)を見込む。前年比の減少幅は946万バレルと40万バレル広がる。新型コロナウイルスの感染拡大が響き、21年の需要持ち直しも従来予想より遅れるとみている。
21年の需要は20年より662万バレル増えると予測したが、前月予想を下回る9686万バレルと見積もった。同日発表した月報では「テレワークや遠隔会議の増加が、輸送燃料が19年の水準に完全に戻るのを妨げる」と分析した。
各国で新型コロナの感染が再拡大しており、いったん緩めたロックダウン(都市封鎖)など行動制限を強める動きが出ている。燃料消費の回復がずれ込むとの懸念が強まっている。
OPECは非加盟のロシアなどとともに協調減産に取り組んでいるが、原油相場は国際指標の北海ブレント原油先物が1バレル40ドル前後と年初より4割安い。OPEC加盟国のほとんどが財政赤字になる水準で推移している。
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