大阪維新は歓迎、自民府連は警戒感 菅新総裁に思惑

2020/9/14 20:33
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G20大阪サミットの会場を視察する菅氏と吉村知事(手前右)、松井市長(手前左)(2019年6月、大阪市)

G20大阪サミットの会場を視察する菅氏と吉村知事(手前右)、松井市長(手前左)(2019年6月、大阪市)

自民党の新総裁に14日に選出された菅義偉官房長官(71)は、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の誘致などを通じ、大阪維新の会の松井一郎代表(大阪市長)と親しいとされる。菅氏は11月1日に住民投票が実施される予定の「大阪都構想」にも理解を示す。都構想に反対する自民大阪府連は「維新寄り」の総裁誕生に警戒感を強めている。

「安倍政権を7年8カ月支えたナンバー2が政権運営するということで、大阪と国が連携しながら成長を目指していきたい」。維新代表代行の吉村洋文府知事は14日、新総裁の誕生を歓迎した。

菅氏と松井氏の関係は、2008年に維新前代表の橋下徹氏が自民、公明両党の支援で府知事選に初当選したときに遡る。菅氏は自民の選挙対策副委員長で、府議だった松井氏と協力。第2次安倍晋三内閣発足後は、安倍氏、菅氏、橋下氏、松井氏の4者の会食が年末の恒例行事となった。

大阪・関西万博の誘致やカジノを含む統合型リゾート(IR)の制度化などでも官邸は大阪府・市に協力。府幹部は「菅氏は官房長官として万博誘致に尽力してくれた。今後も予算確保などで優先的に考えてくれるのではないか」と期待する。市関係者によると、19年のG20大阪サミットでは事前調整に行き詰まった松井氏が菅氏に直接電話し、解決に至ったケースがあったという。

都構想も菅氏との因縁が深い。菅氏は12年、野党だった自民の「大都市問題に関する検討プロジェクトチーム」の座長を務め、東京都以外の大都市が特別区を設置できるようにする大都市地域特別区設置法の成立を推進した。今月3日の会見でも「二重行政の解消を図ろうとするものと認識している」と都構想に前向きな発言をしている。

仮に住民投票で賛成多数となれば、維新が目指す「大阪都」への名称変更は法改正などが必要で、政権の協力が不可欠だ。維新幹部は「菅総裁は維新にとって強力な後ろ盾となるはず」と話す。

一方、今後を心配するのは自民府連だ。府連は8月、都構想に反対する方針を決めた。自民市議団幹部は「府連が都構想反対と決めたのを尊重してほしい」と求める。

府連にとっては、総裁選で敗北した石破茂、岸田文雄の両氏のほうが近い関係にあった。石破氏は今月4日、大阪市内のホテルで自民府議ら20人の会合に参加し「自民党に残って頑張ってきた人たちがいるから、維新とは距離を取りたい」と激励。岸田氏も7月に市内で開かれた府連の議員、財界人との会合で「しっかりと力合わせて努力していきたい」と連携を約束していた。

ある府連関係者は「大阪の政策は菅氏と松井氏が直接やり取りし、自分たちの手の届かないところで話が進むだろう。府連が冷遇されるのは間違いない」と肩を落とす。

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