デジタル化進めて、柔軟な融資を 中部企業 菅氏に期待

2020/9/14 19:30
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14日の自民党総裁選で菅義偉官房長官が新総裁に選出され、安倍晋三首相の後継に就く見通しとなった。中部の企業経営者らからは、新型コロナウイルスの感染防止や経済の回復に加え、菅氏が訴えるデジタル庁の創設や企業向けの柔軟な資金支援への期待が大きい。

観光振興や景気回復を含めコロナ対策を求める声が多い(8月、岐阜県白川村)

観光振興や景気回復を含めコロナ対策を求める声が多い(8月、岐阜県白川村)

菅氏は歴代最長の7年8カ月間にわたり官房長官として安倍政権を支えた。中部でも実績や政策の継続性を評価する経営者が多い。リンナイの内藤弘康社長は「実務にたけた手堅さを武器にリーダーシップを発揮してもらいたい」と期待する。

中部経済連合会の水野明久会長は「政策の継続性という観点からも手腕に期待している」、岐阜県経営者協会の小川信也会長は「経済と雇用の再生のための政策を中長期的な視点で実施してもらいたい」とそれぞれコメントを寄せた。

新型コロナウイルス禍は日本のデジタル化の遅れを浮き彫りにした。人工知能(AI)を駆使したデジタルトランスフォーメーションなどをはじめ、「加速するデジタル社会への転身を強力に促してほしい」(日本特殊陶業の川合尊社長)といった声は多い。

特に関心が高いのが、省庁横断で政策を進めるデジタル庁だ。社内SNS(交流サイト)開発のスタメン(名古屋市)の加藤厚史社長は「デジタル庁の新設で政府が率先して新しいサービスを取り入れることが重要だ」とみる。外国人労働者向けの保険を手掛ける名古屋市のクロフネの倉片稜社長は「保険業はオンライン化が進みにくく、手続きの簡略化などをデジタル庁に期待したい」と話す。

縦割り省庁の打破は幅広い分野で行政の効率化につながる。新政権への要望として「縦割り行政の弊害の打破と規制緩和の推進」を挙げたのは、矢作建設工業の高柳充広社長だ。井村屋グループの浅田剛夫会長も「省庁間連携をさらに進めてほしい」という。

愛知県ホテル・旅館生活衛生同業組合の加藤忠則専務理事は「『Go To トラベル』事業はどの省庁の管轄かわかりにくく現場は混乱した。縦割り行政を是正すべきだ」とみる。

トヨタ自動車の国内生産が底入れし、愛知、岐阜、三重、静岡県では大企業の景況感が7~9月期に4四半期ぶりにプラス転換した。ただ、中小企業を中心に底入れ感はこれから。名古屋銀行の藤原一朗頭取は「中小企業や地域経済の回復に向けた対策に尽力してもらいたい」とコメントした。「中小企業が柔軟に金融機関から融資を受けられる制度の継続は必要だ」。金属加工のカネトヨ(同)の木村均社長はこう強調する。

個人消費も回復の足取りは鈍い。婦人衣料のクロスプラスの山本大寛社長は「(特別定額給付金のように)直接的に消費喚起につながる策を新たに検討してほしい」と要望した。

菅氏は16日の臨時国会で首相に指名される見通し。足元のコロナ対策に加え、「財政や少子高齢化に伴う社会保障制度などの問題、地球温暖化といった課題に向き合い、持続的な成長を実現してほしい」。日本ガイシの大島卓社長はこう話す。

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