ソフトバンク株の売り出し価格、3%安の1204.5円に
ソフトバンクグループ(SBG)は14日、保有する通信大手ソフトバンク(SB)株を1株あたり1204.5円で売却すると発表した。同日の終値(1242円)から3%割り引いた価格に設定した。売却総額は1兆2383億円となる見通しで、財務改善や株主還元に充当する。売却後のSBGの出資比率は約62%から40%に下がるが、連結子会社として残る。
売り出し株式数9億2749万株のうち3億株強を欧州やアジアを中心とした海外投資家に販売。残りの6億2421万株を国内の投資家に売り出す。投資家の需要が強く、1億57万株をオーバーアロットメントにより追加で売り出す。申込期間は15~16日で、受渡日は23日になる。
SBGは20年3月、保有資産4.5兆円を現金化する計画を発表した。8月上旬までに通信大手TモバイルUS株の一部売却などで4.3兆円のメドをつけており、今回のSB株の売却で計画は上回ることになる。
8月28日の取引終了後にSB株の売り出しを発表してから、SBの株価はさえない。株式需給の悪化懸念から個人投資家を中心に売りがかさんでいる。SBGが保有するSB株を売り出すのは、18年12月の新規株式公開(IPO)時、20年5月に発行済み株式数の5%を売却したのに次いで、今回が3回目となる。今後はSB株を追加売却する意向はなく、中長期的に保有する方針を示している。
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