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内モンゴル、抗議で130人が拘束 中国語教育の強化で

【大連=渡辺伸】中国・内モンゴル自治区の小中学校で9月から中国語教育が強化されたことへの抗議活動が広がっている。少数民族のモンゴル族に対する拘束・逮捕が相次ぎ、日本経済新聞社の集計では、14日までに130人前後になった。

モンゴル語で書かれた紙を持ち、授業変更に抗議する人たち(8月31日、ウランバートル)=ロイター

複数の自治区当局が中国のSNS(交流サイト)「微信(ウィーチャット)」で発表した資料を集計した。自治区教育庁がカリキュラム変更を発表した8月下旬以降、14日までに拘束された住民がいる地域は区都フフホト市、東部の通遼市や赤峰市、西部のオルドス市、バヤンノール市など広範囲にわたる。

自治区当局によると拘束の理由は「抗議活動に参加した」「警察が封鎖した学校に突入した」「SNSで抗議を呼びかけた」など。

米非政府組織(NGO)の南モンゴル人権情報センターによると、抗議による自殺者も出たという。子供に通学を休ませる親も多く、AFP通信によると数万人が授業のボイコットや抗議に参加したとされる。

2022年までに、モンゴル族が通う民族学校で「国語」など3科目の授業をモンゴル語ではなく中国語で教え、教科書も中国語に変更する。従来も中国語の授業はあったが、授業時間が増えることになる。

中国外務省の華春瑩報道局長は記者会見で「国の共通言語を学ぶことは各市民の権利であり義務だ」と説明。一方で「3科目以外は教科書を変更せず、バイリンガル教育を維持する」として政策の正当性を訴えた。

自治区当局は取り締まりを強化している。抗議の様子を伝えるSNSの書き込みを削除し、公務員の親には文書で「子供を通学させないと停職や解雇とする」と警告した。SNSで100人以上の顔写真などを公開し、情報提供を募っている。

日本にある内モンゴル関連団体の幹部は「モンゴル語は会話に使うだけでなく民族歌謡などを通じて文化を支えている」と指摘。「子供たちのモンゴル語能力が低下してしまうと心配する声が多い」と話す。

習近平(シー・ジンピン)指導部は少数民族への中国語教育を強化している。3科目における標準語教科書の使用は新疆ウイグル自治区で17年、チベット自治区では18年に始まった。10年の人口調査によるとモンゴル族は約598万人。中国には55の少数民族が住み、憲法は民族語を使う自由を明記している。

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