七十七銀行、2段階認証導入へ 被害十数件か

NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」を使った預金の不正引き出し問題を受け、七十七銀行は今週にもドコモ口座を含む決済サービスと銀行口座を結びつける際に1回限りのパスワード入力を求める「2段階認証」を導入する。本人確認が不十分だったとし、セキュリティー対策を強化する。
これまでは口座番号と名義、暗証番号、生年月日のみで銀行口座と他の決済サービスを結びつけることができた。今週にも導入する2段階認証では、顧客の電話番号に音声案内で1度限りのパスワードを伝え、そのパスワードを入力してもらうことで本人と確認する。
七十七銀の担当者は不正引き出しについて「結果として安全性が甘かったと言わざるを得ない」と、セキュリティーの不備を認める。一方、同行から口座情報などが漏洩した事実はないという。
七十七銀は不正引き出しの被害件数や金額は公表していない。担当者は「まだ数字が固まっていないが、公表したい気持ちはある」としている。宮城県警によると、8月中旬から9月10日までの間に「七十七銀の口座からドコモ口座へ覚えのない振り込みがある」との相談が約20人から寄せられており、被害は少なくとも十数件にのぼるとみられる。
宮城県の村井嘉浩知事は14日の定例記者会見で不正引き出しについて「非常に深刻。(セキュリティー対策の)甘さが出たのではないか」と指摘した。一方で、「消費者がネットを使ったお金のやり取りに慎重になってしまうことを危惧している」と話した。

NTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」をはじめ、キャッシュレス決済サービスとひもづいた銀行口座から不正に預金が引き出される被害が拡大しました。この問題に関する最新ニュースをまとめてお読みいただけます。