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ベラルーシ大統領、危機打開へロシア接近 首脳会談

(更新)
13日のミンスクでの抗議デモでは、ルカシェンコ、プーチン両大統領を描いたプラカードを掲げて批判する参加者も=ロイター

【モスクワ=石川陽平】大統領選での不正疑惑を巡り混乱が続くベラルーシのルカシェンコ大統領は14日、ロシア南部でプーチン大統領と会談した。経済関係の強化で合意する見通し。ロシアの影響力拡大を受け入れる見返りに憲法改革を柱とする危機打開策に支持を取り付ける。対ロ接近で抗議デモを抑えこみたい考えだが、沈静化の兆しは見えない。

ルカシェンコ、プーチン両大統領の会談は、8月9日の大統領選を巡って反体制派や市民の抗議デモが拡大してから初めて。大統領選では80%の得票率でルカシェンコ氏が6選を決めたと発表されたが、選挙直後から、不正行為があったとして独裁的体制への抗議デモが広がった。

ロシア大統領府によると、14日に同国南部の保養地ソチで開いた首脳会談では「貿易・経済、エネルギー、文化・人道分野の大型プロジェクト」の実現を話し合う。会談結果はまだ明らかになっていないが、両大統領は「戦略的パートナーシップと同盟関係を前進させる展望」についても協議する。

具体的には、ベラルーシの10億ドル(約1050億円)に上る対ロ債務の再編や、ベラルーシへの石油や天然ガスの供給問題などがテーマとなる。事実上、ロシアが求める経済関係の強化に応じる形で、3日にはミシュスチン首相らロシア政府代表団がベラルーシを訪れて首脳会談の準備をした。

民族的、経済的な結びつきの強い両国は、1999年に「連合国家」の創設条約に調印したものの、ロシアの完全な影響下に置かれると懸念するルカシェンコ氏が政治、経済統合の具体化を巧妙に避けてきた。だが抗議運動の退陣圧力を受け、ロシアの「後ろ盾」を求めて再び接近せざるを得なくなっている。

首脳会談では、ルカシェンコ氏が提案した危機打開策も協議する。憲法改革とその後の議会選、大統領選の実施が柱だ。8日には2020年末か21年初めに政財界代表による国民大会を開き、選挙日程を決める可能性に言及した。危機打開策にはプーチン氏が支持を表明し、早期の実現を促すとみられる。

ルカシェンコ氏の訪ロには、欧米も神経をとがらす。ビーガン米国務副長官は11日、「人々はルカシェンコ政権を明確に拒否した」と指摘し、ロシアに同政権を支持しないよう求めた。ロシアの影響力拡大を懸念する米国と欧州連合(EU)は反体制派を支持し、政権に対する制裁の発動も検討している。

ベラルーシ国内各地では13日も、政権交代を求める大規模な抗議デモがあった。首都ミンスクでは反体制派メディアが呼びかけた「英雄たちの行進」に、10万人を超す市民らが参加した。大統領選後、5週連続で日曜日の大規模な抗議デモとなり、ルカシェンコ氏に強い圧力をかけ続けた。

だが、ルカシェンコ氏には譲歩の姿勢は見えない。8日には、反体制派が要求する形で国家元首の座を去ることはないと明言した。「私の支持者が殺される」とも述べ、新たな大統領選後も権力を維持したい考えをにじませた。早期の辞任を求める抗議デモとの対立が鋭くなっている。

さらに政権側は、ロシアの「後ろ盾」を得て強硬な姿勢を一段と強めている。治安当局によると、12日にベラルーシ国内で開かれた抗議デモで114人を拘束した。13日も多数の治安部隊や装甲車などを配備し、治安当局によると、ミンスク市内だけで500人以上のデモ参加者を拘束した。

14~25日にはベラルーシ南西部で同国とロシアが合同軍事演習を実施する。対テロ作戦の訓練が目的で、15年から毎年、同様の軍事演習を行っている。ロシアはベラルーシからの要請があれば、国内の安定維持のため武力支援する用意があるとしている。

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