長期の治療・入院にも対応 月額給付の医療保険が登場
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2020/9/18 2:00
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写真はイメージ=PIXTA

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特約や補償範囲などが商品によって異なる保険の比較はなかなか大変。この連載では保 険に詳しいファイナンシャルプランナーが商品選びの勘どころを紹介する。

◇  ◇  ◇

■1入院当たりの支払い限度額や入院回数の制限を見直す

医療保険で受け取れる保険金は、入院日数に応じた入院給付金や、1回当たりの手術給付金等を積み上げて決まるのが一般的です。しかも、1回の入院には支払い限度があり、2回以上の入院でも所定の期間内だと1入院と見なすなど、複雑な条件があります。

そのような細かい条件を省き、月単位(暦月)で給付金を決めるのがチューリッヒ生命の「終身治療保険プレミアムDX」です。

主契約は「入院」「手術」「放射線治療」「通院」「在宅医療」の月額給付金5点セットで、複数の給付要件に該当した場合、最も高い給付金が支払われます(下表)。

例えば、ある月に入院して手術を受けたとします。入院の月10万円、手術の月20万円の給付対象となりますが、手術の月20万円のみが支払われます(下表1型の場合)。

従来の医療保険のような1入院限度という概念はなく、上限は主契約全ての基準給付月額を合算して120カ月まで、「通院」「在宅医療」は合算して60カ月まで。長期入院や入退院を繰り返しても保障切れを気にしなくて済みます。

「通院」「在宅医療」は入院前後の所定期間内に、同じ月内で2日以上の通院または在宅医療を受けることが給付の条件です。入院しない「通院」「在宅医療」が対象外であるのは従来の医療保険と同じ。

支払事由に目新しさはありませんが、日数管理から月単位の管理になるので、健康保険の高額療養費をベースに基準給付月額を設定するなど、保障設計が立てやすくなります。

■どこまで保険で備えるか

保障プランは1型と2型があり、1型は「入院中の手術」と「放射線治療」が基準給付月額の2倍になります。上表のプランでは、月払保険料は1型で基準給付月額10万円の場合、6100円、2型で同5万円の場合2525円です。

60日までの入院は対象外となる「入院免責日数特約60日型」を付加すると、前者は月4270円、後者は月1615円に節約できます。

手厚く月6100円のコースにするか、最低限の月1615円コースにするか。悩ましいところですが、免責特約を付けても、免責となるのは比較的短期の入院のみ。手術や放射線治療などの給付は受け取れます。

そもそも月額給付金はいずれか1つしか受け取れませんから、長期入院にのみに備えるという考え方もあるでしょう。

保障を抑えることに不安もあるでしょうが、現時点で販売されている医療保険が将来にわたって有効とは限りません。多少物足りない程度の加入にとどめておいて貯蓄を増やす方が、暮らしのリスク許容度は高まります。

内藤眞弓(ないとう・まゆみ)
生活設計塾クルー。大手生命保険会社勤務の後、ファイナンシャルプランナーとして独立。生活設計塾クルー取締役を務める。『医療保険はすぐやめなさい』(ダイヤモンド社)など著書多数。一般社団法人FP&コミュニティ・カフェ代表。

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