AR、アプリがあなたの化粧を手助け コロナ禍の秋メーク
マスク姿のまま、音声やジェスチャーで操作
「アイラッシュ、1」。声に反応して画面上の顔にメークが施される――。化粧品スタートアップのパーフェクト(東京・港)は8月末に、ARを活用した仮想メークのサービスに新機能を加えた。マスクを着用したまま、音声やジェスチャーで操作できる。
コロナ禍でも化粧品のサンプルなどに触ることなく店頭での買い物が楽しめる。東京・原宿の@cosme TOKYOでは同サービスを一部のブランド店舗で導入した。「気になるお客様はマスクのまま画面上で秋の新商品を試せます」と伊藤奈津美館長は話す。
ノーメークでオンライン会議


フリーランスでオンライン秘書をする尾田雪江さんは、ビデオ会議システムのZoomなどで使えるアプリ「Snap Camera」で、メーク済みに加工した画像を画面に映し出し、自らはノーメークでオンライン会議に参加する。
新型コロナウイルスの感染拡大を機に在宅勤務が増え、ノーメークで一日を過ごすスタイルが広がりつつある。一方、オンライン会議がある日は、そのためだけにメークをしなければならないという人も多いのではないだろうか。「オンライン会議用の映えるメークやライティングなどもしていたが、とても手間がかかった」と尾田さんは話す。
お風呂上がりのオンライン飲み会でも、このアプリは大活躍するそうだ。気心が知れた友人同士には、眉毛だけ加工するメニューを選んで利用するという。
オンラインでカウンセリング

化粧品大手のポーラは、コロナ禍でオンラインカウンセリングを導入した。実際に来店しなくても、新商品の案内やスキンケアのレクチャーなどを受けることができる。サービスを利用した40代の女性は「コロナが心配で店に行けなくなった。オンラインで美容の最先端を教えてもらえる」と満足げだ。
一方、客の肌を直接見たり触ったり出来ないため、肌の状態の分析やエステなどの施術が出来ないという欠点も。「オンラインが店に完全に取って代わるのは難しい」とショップオーナーの吉田夏子さんは話す。ポーラは今後、感染状況を見つつ、オンラインと実店舗の両輪で展開していくという。
吉田さんによると、ボルドー系やブラウン系のアイカラーが秋に向けてのトレンドだという。マスクの着用によってさらに目元が乾燥しやすくなっているので、粉タイプの物よりは練りタイプの物がお薦めだ。
マスクメークでなりたい自分に

「これなら毎日できるかも」。素早いアイメークに医療関係者の目がくぎ付けになった。メーキャップアーティストの星泰衣さんはマスクを着用しても安心感や信頼感を与えるメークを病院から依頼された。眉、目、ほほの3パーツを最大限に生かし、淡い色のアイシャドーやチークを使うのがポイントだ。
互いに表情を伝えづらくなっている今、「落ち込みがちな女性の気持ちを明るくしたい」と星さん。保育関係の就職フェアや歯科医院などからの問い合わせが増えているという。
(写真映像部 小谷裕美、石井理恵、森山有紗)

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