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「スパイの妻」黒沢清監督に銀獅子賞 ベネチア映画祭

(更新)
第77回ベネチア国際映画祭で「スパイの妻」の黒沢清監督が監督賞(銀獅子賞)に選ばれた=ロイター

【ベネチア=共同】イタリアで開催されていた世界三大映画祭の一つ、第77回ベネチア国際映画祭の授賞式が12日夜(日本時間13日未明)に開かれ、「スパイの妻」の黒沢清監督(65)が監督賞(銀獅子賞)に選ばれた。日本人の監督賞受賞は2003年の「座頭市」の北野武監督以来、17年ぶり。黒沢監督が三大映画祭のコンペティション部門で主要賞に輝くのは初めて。

銀獅子賞は現在、審査員大賞と監督賞があり、最高賞の金獅子賞に次ぐ栄誉。新型コロナウイルス流行を受け、イタリア行きを断念した黒沢監督はビデオメッセージで「大変驚き、言葉では言い尽くせない喜びを感じている。長い間、映画に携わってきて良かった」と語った。

授賞式後に記者会見したコンペ部門審査員長で俳優のケイト・ブランシェットさんは、非常に優れた監督の作品が複数あったとして「(審査は)難しかったが、否定しようのない決定だ」と述べ、黒沢監督を称賛した。

「スパイの妻」は、太平洋戦争開戦前に偶然恐ろしい国家機密を知り、正義感から世に明かそうとする男性と妻の物語で神戸が舞台。蒼井優さん、高橋一生さんらが出演し、日本では10月16日に公開される。

黒沢監督は1955年神戸市生まれ。83年にデビューし、97年のサスペンススリラー「CURE」で注目を集めた。想像力をかき立てる余白を含んだ作風で知られる。カンヌ国際映画祭「ある視点」部門では「トウキョウソナタ」が08年に審査員賞、「岸辺の旅」が15年に監督賞を受けた。

コンペ部門は18作品で競われ、金獅子賞にクロエ・ジャオ監督の米国作品「ノマドランド」が輝いた。バーチャルリアリティー(VR)部門に出品されていた伊東ケイスケ監督の「Beat」は受賞しなかった。

●夢にも思っていなかった

黒沢清監督が授賞式のビデオメッセージで語った主な内容は次の通り。

今、大変驚いています。それと言葉では言い尽くせないような喜びも感じています。皆さまに感謝をささげたい。本当に長い間、映画に携わってきたが、この年齢になって、こんなに喜ばしいプレゼントを頂けるというのは夢にも思っていませんでした。本当に長い間、映画を続けてきて良かったなと、今しみじみ感じております。

ベネチア国際映画祭

 フランスのカンヌ、ドイツのベルリンと並ぶ世界三大映画祭の一つで、イタリア北部ベネチアのリド島で開かれる。1932年に始まり、戦争による中止などを経て続いており、主要な映画祭では世界最古の歴史を持つ。シンボルはライオンで、最高賞「金獅子賞」は日本では過去に黒沢明監督「羅生門」、稲垣浩監督「無法松の一生」、北野武監督「HANA-BI」の3作が受賞した。〔共同〕

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