米州開銀、次期総裁に初の米出身者 中国の影響力を警戒

2020/9/13 3:13
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【メキシコシティ=宮本英威】米州開発銀行(IDB)は12日、次期総裁に、米国家安全保障会議(NSC)上級部長(西半球担当)のマウリシオ・クラベルカロネ氏が選出されたと発表した。歴代総裁は中南米出身者が務めており、初の米国出身者となる。中国の影響力拡大を警戒した。

米州開発銀行本部(米ワシントン、同行提供)

12日に開いたオンライン会合で、選出に必要な要件を満たした。10日に立候補を締め切り、クラベルカロネ氏以外に立候補者はいなかった。米国の他にエルサルバドル、ガイアナ、ハイチ、イスラエル、パラグアイが共同で推した。10月1日に就任し、任期は5年。

これまでは慣例で中南米出身者が総裁を務めてきたため、域内には反発する声もある。チリやメキシコは、新型コロナウイルスの影響で十分に議論ができていないなどとして、総裁選の延期を求めていた。米国が反発を押し切り、初めての米出身の総裁を実現した。

背景にあるのは中国の存在だ。中南米は米国の「裏庭」とも呼ばれてきたが、近年は貿易や投融資で中国が影響力を強める。仮に、中国と関係が近い国から総裁が選ばれれば、IDBでの米国の力が下がる可能性があると警戒したと見られる。

中国はIDBに2009年に加盟した。IDBは19年3月に中国・成都で年次総会を開く予定をたて、米国が反対して延期したこともある。

60年に業務を始めたIDBは中南米の経済発展を支援してきた。05年から総裁を務めるコロンビア出身のモレノ氏の任期は9月末で満了する。

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