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増税や金融「アベノミクス後」競う 自民党総裁選討論会

討論会で発言する(右から)石破元幹事長、菅官房長官、岸田政調会長(12日、東京都千代田区)

14日投開票の自民党総裁選に立候補した石破茂元幹事長、菅義偉官房長官、岸田文雄政調会長は12日、日本記者クラブ主催の討論会で最終盤の論戦に臨んだ。安倍晋三首相のアベノミクス後の経済政策を見据え、消費税率引き上げや金融政策、格差対策の具体案を訴えた。

消費税増税

「誤解があってはまずいので説明したい」。菅氏は消費税率の引き上げについて問われ、こう切り出した。念頭にあったのは10日のテレビ東京番組での発言だ。少子高齢化で膨らむ社会保障費の財源として将来的な増税の必要性に言及した。

菅氏は12日の討論会で「経済再生なくして財政健全化はない。しかし将来まで(増税を)否定すべきではないと思った」と説明した。「安倍首相が10年引き上げないと言っている。私も全く同じ意見だ」と述べた。

岸田氏は社会保障制度改革を「税と一体で考えるのは重要な視点だ」と話した。消費税増税は「社保改革をしっかりやったうえで必要であるならば考える」と強調した。社会保障を議論する国民会議の設置を提唱した。

石破氏も「社会保障の議論なくして財政や税制を語ってはいけない」と指摘した。「次の時代に過大な負担を残さないという意味で財政健全化は念頭から外すべきではない」と唱えた。

財政健全化の議論は深まらなかった。足元は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済収縮を防ぐ財政出動を優先し、健全化策や数値目標に触れようとしないからだ。

2020年度補正予算の歳出増で国と地方の基礎的財政収支(PB)の赤字は国内総生産(GDP)比で19年度の2.6%から20年度は12.8%に拡大する。25年度の黒字化目標を断念すれば国債の格下げなどで経済に負の影響が出かねない。

金融政策

アベノミクスの柱、金融政策の先行きも議題になった。政府・日銀は13年1月にまとめた共同声明で日銀による2%の物価上昇率目標を盛った。

12日の討論会で最初に質問された石破氏は「世界的にも標準である2%の目標は維持していくべきだ」と表明した。2番目に答えた菅氏は「全く一緒だ」と同調した。

長期化する日銀の異次元緩和のもとで目標とする2%の物価上昇率には程遠い。日銀が見込む20年度の消費者物価指数(CPI)はマイナス0.5%(中央値)。新型コロナの感染拡大の前でも1%に届いていなかった。

岸田氏は違いをにじませた。「2%の目標をどこまで厳密に追求していくのか。柔軟な議論をすることでこの先を考える」と目標の修正の可能性に言及した。

3氏の経済格差に対する認識の違いも鮮明になった。総裁選の論戦を通じ、岸田、石破両氏が第2次安倍政権の発足後に格差が広がったとの主張を繰り返してきた。

首相の路線の継承・前進を訴える菅氏は岸田氏に「アベノミクスで格差は拡大したと考えるか」とただした。岸田氏は「成長の果実が中間層、中小企業、地方に広がらないうちにコロナの影響を受け、格差が深刻化してしまった」と明言した。

そのうえでベースアップ(ベア)などで労働者の取り分を示す労働分配率を高める企業への税制優遇や、地方と都市の格差を是正するための税収配分を改めるなど具体策を積極的に提示した。石破氏も「格差が広がっている」と力説した。

菅氏はアベノミクスで400万人の新規雇用者を生み出し、幼児教育・保育の無償化を実施したことを例示した。「経済を成長させることで格差是正というか、多くの皆さんに機会を与えることができた」と反論した。

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